ロケットの良書は、絶版になる法則。これってトリビアになりませんかね?
サットンのロケット推進工学(翻訳版)は、絶版。そして、出版社ごと潰れた。
木村 逸郎先生のロケット工学も絶版で
まるで、ロケット工学が禁書にでも指定されているのかと疑いたくなるぐらい、次々と絶版になっている。何故、日本に航空宇宙のガチ書籍が少ないかというと、需要が無いからに他ならない。では、一体この日本にどれだけのロケットクラスタ(ロケットに興味がある人の総称)人口が居るのだろうか。これを、仮定を重ねる事になるが、フェルミ推定でざっくり計算してみる。
サンプルとして、ロケット工学の専門書である、木村 逸郎先生のロケット工学から考えてみたい。まず、専門書だと2~4千部が一般的であり、木村先生の本を初版約3千部だと仮定する。
次に、その内600を図書館・大学等教育機関・研究機関が購入と考える。勿論、こんな本など置いてない図書館もあろうが、工学部を持っている大学、高専等は購入しているであろうし、各都道府県の大きな図書館にも置いてあるだろう。分野に近い先生等は、初動で買っているはずである。それを含めてこの値を置いた。
これで残り2400冊。この本は1993年1月出版。出版元は潰れておらず、2008年位までは、普通に大手書店購入出来たので、約15年で売り切ったと考えられる。
平均化すると、2400/14=160冊/年、となる。実際は、出版当初にピークを描き、ロングテールの様な曲線になるかもしれないが、平滑化するとこの値になる。
専門書=ガチ本であり、それに非常に興味を持つ人が買う書籍である訳である。実際、木村先生の本は、定価 11,650円+税 A5判602ページであり、単なる学生であっても、高額な本書を買うには、かなりの敷居が高くなる。それだけ、購入には敷居が高くなる。
だが興味という物は、人間いつまでも持ち続けれる物ではない。新しく興味を持って流入する若い人や、年を取って興味が無くなり流出する人がいるであろう。160冊/年というのは、新しく興味を持って流入する人が購入するパラメータになる。ここで、興味を持ち続けれる人の年数を平均的に30年と仮定する。これを平均冊数かけてやると、30*160=4800人 となる。
従って、これらの計算より、ガチでロケットに興味がある人は、日本国内に約5千人であると推測される。個人的な感覚だが、この数字は正しいように思える。ロケットクラスタは、日本に約5千人。これは果たして、多いか少ないか。