2019年3月25日月曜日

戦闘機ライセンス生産からスピンオフ・民生転用した日本の産業技術, Japanese Industrial Technologies Spin Off from Fighter Aircraft License Production

戦闘機ライセンス生産からスピンオフ・民生転用した日本の産業技術,
Japanese Industrial Technologies Spin Off from Fighter Aircraft License Production




ライセンス生産されたF-104J戦闘機 (©Orbit Seals, 2019撮影)



米国製戦闘機のライセンス生産で得た技術、ノウハウは、新幹線、自動車等の幅広い分野に民生転用された。では、具体的にどの様な日本の産業技術に民生転用されたのか、今回の記事にて紹介する。



      



民生技術が高度に発達し、軍用技術よりも進んでいる分野が散見される現代では、必ずしも言い切る事は出来ないが、歴史的には軍事技術は民生技術の先を行っているのが常であった。

1950年代~1960年代の高度経済成長期の日本は、米国製兵器や戦闘機のライセンス生産で得られた技術やノウハウを民間製品へ転用した。軍事技術を民生技術に転用する、いわゆる「スピンオフ」である。

特に、戦闘機のライセンス生産で得た技術は、高度経済成長期の日本を象徴する新幹線や自動車等の幅広い分野に転用された。軍需産業の確立している米国では禁止されている行為であるが、日本では逆に推奨された。

主任設計者が明かす F-2戦闘機開発, 神田國一著, 並木書房」によると、F-2支援戦闘機開発時にも、新技術のライセンス生産を日本に渡すことによる、航空機産業分野に対する影響懸念が、米国議会の報告書に次の様に記載されている。

「米国と異なり、アジア各国は、軍用機と民間機の製造作業を必ずしも厳密に区別していない。機械や治具技術を身に着けた人の場所を軍用機製造場所から民間機製造場所に移動することができるということは、アジアの航空機工場の柔軟性を示すことになる。
例えば、日本の大きな航空会社では、軍用機の組み立てラインと民間機の組み立てラインを隣どうしに並べて設置してあることが少なくない。一つのラインで訓練した作業員が、隣のラインに移ることは時々ある。軍用機プロジェクトのために政府が購入した高価な複合材形成設備が、その後に民間機の部品製造に使われている。
この様に入手した技術は直接的に相乗的に軍用プロジェクトと民間航空機プロジェクトに交互に使用される。この様な仕組みを使って、アジアの国々は世界的な民間機市場のある分野で積極的に競合するようになった。」 


では、過去において具体的にどの様な日本の産業技術に民生転用されたのか?

NEDOが公表している、平成22年度成果報告書 「戦略策定調査事業 航空機分野の戦略策定調査」では、レポートの公式見解として、戦闘機、軍用航空機のライセンス生産で得た技術転用の具体的な事例として以下が挙げられている。

ライセンス生産で得た、技術、ノウハウや、特許、知的財産の取り扱いが、当時どの様に行われていたかについては不明である。あえて特許を取得していない技術箇所が転用したのか、それとも1950年代~1960年代は、知的財産的なものに寛容な時代であったのか、それ以外なのかは、定かではない。



1. 自動車技術関連


◎自動車エンジン用オイルフィルタ
ノースアメリカンF-86F 戦闘機、ロッキード F-104J 戦闘機等のライセンス生産において、習得された航空機用高圧オイルフィルタ技術は、自動車用、工作機械用のオイルフィルタの性能向上に大きく寄与した。


◎ダクトホース
ロッキード F-104J 戦闘機用のダクトホース技術は、自動車産業に適用され、自動車用ダクトホース等の性能向上に大きく寄与した。


◎ラジエータ
ビーチクラフト T-34 練習機の熱交換器技術は、自動車ラジエータ、汎用ラジエータ等の熱交換器技術の性能向上に大きく寄与した。


◎ディスクブレーキ
ロッキード F-104J 戦闘機用のディスクブレーキ技術は、自動車用、及び鉄道用(特に新幹線)のディスクブレーキ技術として適用され、自動車、鉄道の制動技術の向上に大きく寄与した。



ライセンス生産されたF-104J戦闘機 (©Orbit Seals, 2019撮影)




◎軸受
航空機ジェットエンジンの軸受製造技術、軸受技術は自動車向けに適用され、優れた耐久性を持った軸受を実用化した。


◎ブレーキライニング
ロッキード F-104J 戦闘機用のセラミックス・ブレーキライニング技術を、乗用車、バス等に適用。


◎ブレーキパイプ
ロッキード F-104J 戦闘機用の油圧パイプ・システムを、自動車用ブレーキシステム等に適用。


◎自動車用高圧パイプ、カップリングに波及
ロッキード F-104J 戦闘機の油圧システムを適用。


◎工具(プラスチック工具)
自動車向けプラスチック工具はノースアメリカン F-86 戦闘機向けのものを適用。

◎材料(強化プラスチック技術)
バス、自動車、汎用機械への応用。ロッキード F-104Jの強化プラスチック技術を適用。




2. 鉄道技術関連


◎ブレーキ装置(主にディスクブレーキ)
ロッキードF-104J用のディスクブレーキ技術は、鉄道用(特に新幹線)のディスクブレーキ技術として適用され、鉄道の制動技術の向上に大きく寄与した。


◎軸受
航空機ジェットエンジンの軸受製造技術、軸受技術により自動車用、鉄道用の優れた耐久性を持った軸受を実用化した。




3. 船舶技術関連


◎船舶用ガスタービン
船舶用ガスタービン・エンジンは、航空機用ガスタービン・エンジンをベースとしている。




4. エレクトロニクス・電子技術関連


両面プリント基盤
軍用機用のプリント基盤技術を民生に適用、両面プリント基盤技術の性能向上に貢献。




5. 産業機械技術


汎用向け油圧機器
航空機用油圧システム(ロッキード F-104J油圧装置の高圧技術)を汎用の油圧機器に適用。


◎玉軸受
航空機ジェットエンジンの軸受製造技術、軸受技術を適用することで、汎用軸受の技術性能向上


◎機械部品
ノースアメリカン F-86戦闘機の電解プロセス技術を各種機械部品に適用して、耐久性向上、軽量化を実現。


高圧用ホース、汎用ホース
ロッキード F-104J戦闘機用高圧ホース技術を、汎用の高圧用ホース、汎用ホースに適用して性能向上を実現。


大型プレス、金属プレート成型
ロッキード F-104J戦闘機 胴体部の成型加工技術を、大型プレス、金属プレート成型技術へ応用。


◎切断、モールディング技術
ジェット・エンジン・パーツ・プロセス技術の適用。


生産管理、検査全般の品質管理能力の向上
ロッキード T-33練習機、ノースアメリカン F-86戦闘機における品質管理(QC)技術を広く、国内産業界に普及。




References
[1] NEDO 平成22年度成果報告書 「戦略策定調査事業 航空機分野の戦略策定調査」,
      https://www.nedo.go.jp/library/seika/shosai_201206/20120000000046.html
[2] 主任設計者が明かす F-2戦闘機開発, 神田國一著, 並木書房
[3] Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/





2019年3月21日木曜日

ANAカードの広告に掲載されているロケットは何が間違っているのか?, What is wrong the rocket in the advertisement of ANA card?

ANAカードの広告に掲載されているロケットは何が間違っているのか?,
What is wrong the rocket in the advertisement of ANA card?





日本の鹿児島(種子島)で、固体ロケットモーターを搭載しソユーズが打ち上げられる世界線-

ANAカードの広告で、「その日まで貯めた15000マイルで鹿児島へ」と書かれた、ロケット打ち上げの光景が載っていた。これを見ると、宇宙ロケット関して多少知っているならば、クスリと笑ってしまう。この広告の何がおかしいかについて、解説してみよう。



      



1. ANAカードのロケット広告は、何がネタとして面白いのか?


主に、ネタとして面白いのは以下の点である。

  1. 日本の鹿児島(種子島)で、日本でロシア(旧ソ連)のロケット:ソユーズロケットが打上げられている。
  2. ソユーズは、液体燃料ロケットなのに、白煙を出している。
  3. 以上から推測される、広告会社?のやっつけ仕事感。


2. 種子島から打ち上げられる、有人宇宙船型ソユーズロケット(旧ソ連製)


「その日貯めた15000マイルで鹿児島へ」と謳いつつ、ANAカードの広告に写っているのは、ソ連で開発されて現在ロシアでも使用されている、「ソユーズロケット」である。

ソユーズロケットは、世界初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)であるR-7を基に改良を重ねて今日まで長きに渡り運用されている宇宙ロケットである。

鹿児島に現在存在する宇宙ロケット射場として、文部省 宇宙科学研究所(ISAS)の源流を持つ内之浦宇宙空間観測所と、科学技術庁 宇宙開発事業団(NASDA)の源流を持つ種子島宇宙センターがある。

両方とも現在では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)として統合されて運用されている。広告の背景には、山が無いことから、種子島宇宙センターの可能性が高い。

しかし、種子島宇宙センターでは、ソユーズロケットは打ち上げてない。旧ソ連以外では、欧州宇宙機関(ESA)と協力して、フランス領ギアナの射場から打ち上げている例ぐらいである。

更に言えば、このソユーズロケットは、ソユーズFGの有人宇宙船搭載仕様に見える。それは、先端に搭載されている脱出用固体ロケットから把握することが出来、有人ミッション特有の物だ。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ、無人の補給船仕様(プログレス)のソユーズFGでは、脱出用固体ロケットは付属しない。


つまり、どうやらこの広告では、有人宇宙船を搭載したロシア(旧ソ連)のロケットが、鹿児島(種子島)で運用されている世界設定の様だ。



ANAカードの広告に掲載されている白煙を引くソユーズFGロケット
先端に脱出用固体ロケットが確認できる



ISSに物資を運ぶ無人の補給船(プログレス)型(参考)
ソユーズFGであっても脱出用固体ロケットを先端に搭載しない



3. 固体燃料ロケットモータ仕様のソユーズロケット


ソユーズロケットは、液体燃料ロケットエンジンを搭載した、液体燃料ロケットである。
下記に、ソユーズロケット打上げ動画の一例を示すが、上昇するロケットからは大量の白煙等は確認できない事が分かるだろう。

液体燃料ロケットエンジンの噴射ガスは、一般的に見える事は無い。(添加剤等あれば、別かもしれないが)つまり、ノズルから白煙のガスが尾を引くこともない。ソユーズは、液体酸素/ケロシンの推進剤を使用するため、噴射炎は見えているが、しかし液体酸素/液体水素を推進剤としたロケットエンジン等では、その炎すら、ほぼ透明で見る事は難しいといった具合である。




しかしながら、ANAカードの広告に掲載されているソユーズロケットは、得体のしれない白煙のガスを噴射している。大量の白煙のガスを噴射するロケットは、固体燃料ロケットに見られる特徴である。


実際のソユーズロケットの打ち上げ。離床後、炎のみで噴射煙は見えない。



白煙を引く、ソユーズロケット(ANAカード広告より、謎の世界線)


つまり、どうやらこの広告では、ソユーズロケットが、鹿児島(種子島)で運用されているみたいだが、そのソユーズロケットは、固体燃料ロケットモータ仕様という世界設定の様だ。


なお、メインステージとブースター両方とも固体燃料ロケットモータか、どちらかが該当するかは不明である。



4. 何故、固体燃料ロケットは白煙を引くのか?


現代の固体燃料ロケットでは、酸化剤の過塩素酸アンモニウム粉末(AP)、硬化するバインダー兼燃料として、末端水酸基ポリブタジエン(HTPB)を用いたコンポジット推進剤が広く利用されている。特に宇宙ロケット用のコンポジット推進剤には、性能(比推力等)を稼ぐために、燃料としてアルミニウム粉末(Al)が添加されている。

このアルミが酸化剤と結びついて燃焼した燃焼ガスがノズルから排出されると、大気中で白煙となって現れる。これが、現代の固体燃料式宇宙ロケットが、白煙を引く理由である。

なお、白煙の成分となる「アルミニウム」をグレインに添加せず、硬化剤となるバインダーのみで成型したコンポジット推進剤は、白煙を引くことは無い。例えば、戦闘機に搭載される空対空ミサイルでは、撃ったミサイルが相手側に極力発見されることのない、「低視認性」が優先される。それには、ロケットの推進性能が上がっても、白煙を引くアルミ添加は論外であり、下に示す写真の様に希煙化を図られている。これはアルミを含まない、アルミレスのコンポジット推進剤を使用している事を意味する。




H-2Aロケットの打ち上げの様子 SRB-Aのノズルから引く白煙が青空に映える
固体燃料ロケットブースターのSRB-Aの白煙が尾を引いている

SRB-Aは、コンポジット推進薬 BP-207Jを使用しており
割合は、HTPB:14%, AP:68%, Al:18%



F-16戦闘機から発射されるAIM-9X サイドワインダー空対空ミサイル
ノズルから引く白煙は見えない 推進剤にアルミが含まれてない事が分かる


5. 結論、何故この様な広告になったのか?


以下、筆者が推測する成り行き。

  1. 「鹿児島にロケットを見に行く」って、航空会社のカードの広告として生えるんじゃないですかね!(名提案)
  2. でもH-2Aロケット使ったら、三菱重工やJAXAに叱られるんじゃないですか?では、ソ連ならどうでしょう。崩壊した国だから著作権や肖像権消滅してるんじゃないですか!?(名提案)
  3. H-2Aロケットの発射(SRB-Aの白煙)画像に、ソユーズロケットを無理やり合成(やっつけ感)

というような、展開が行われたんではないでしょうか・・・(推測)


なお、下記に示すJAXAデジタルアーカイブでは、高解像度の写真が、商用利用にも供されています。
是非、活用してみましょう。(利用可能範囲 : 報道・教育・商業目的使用可能)

http://jda.jaxa.jp/index.php



References
[1] http://www.ausairpower.net/TE-Sidewinder-94.html
[2] JAXAデジタルアーカイブ, http://jda.jaxa.jp/index.php
[3] https://www.htxt.co.za/2018/11/02/heres-what-caused-that-russian-soyuz-rocket-malfunction-in-october/

2019年3月20日水曜日

三菱重工 T-2 CCV 研究機 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館, Mitsubishi T-2 CCV Aircraft GIFU-KAKAMIGAHARA AIR AND SPACE MUSEUM

三菱重工 T-2 CCV 研究機 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館, 各務原航空宇宙博物館
Mitsubishi T-2 CCV Aircraft GIFU-KAKAMIGAHARA AIR AND SPACE MUSEUM





Update:2020.08.24



※703枚程の写真を掲載しています。©Orbit Seals

    




T-2 CCVは「Control Configured Vehicle」の略で、運動能力向上機を意味する。コンピュータ制御によるフライバイワイアー研究機であり、1978年から将来の戦闘開発に必要な要素研究として実施された。その成果は、日本のF-2支援戦闘機の開発において、米国からF-16戦闘機のフライバイワイアーに関するソースコード供与が拒否されたため、大いに役立った。

以前は、航空自衛隊 岐阜基地にて保管されていたが、現在では、 2018年にリニューアルされた、各務原市にある、かかみがはら航空宇宙博物館に展示されている。




T-2 CCV stands for "Control Configured Vehicle", which stands for kinetic capability enhancement aircraft. It is a computer-controlled fly-by-wire research aircraft, and was started in 1978 as an elemental study for future figher development. The results were very useful in the development of Japan's F-2 support fighter, since the United States refused to provide source code for the fly-by-wire of the F-16 fighter.

Formerly stored at Gifu Air Base, Japan Air Self-Defense Force, it is now on display at the renovated Kakamigahara Aerospace Museum in Kakamigahara, Japan.







2019年3月10日日曜日

Blue Steel missile Havilland Double Spectre rocket engine, スペースワールド ブルースティールミサイル ロケットエンジン

Blue Steel missile Havilland Double Spectre rocket engine, スペースワールド
ブルースティールミサイル ロケットエンジン





2017年12月31日に閉園するというので、2017年秋にスペースワールドに行ってきた。

ジェットコースタ等には、長蛇の列が出来ていたが、スミソニアン博物館から貸与されている展示品等も飾られている宇宙博物館はガラガラ(かつ無料)なのを見るのと、皆宇宙に興味が無く、スペースワールドのアトラクションに興味があり、宇宙開発の展示物に興味が無いのだなぁと思った。

今回は既に閉園したスペースワールド宇宙博物館に飾られている、イギリスの空対地巡航ミサイル;Blue Steelのテストバージョンに搭載されていた(量産型はブースタ、サステナが大小別れた別の奴を使用)ロケットエンジン;Havilland Double Spectre rocketの細部を撮影したので、掲載する。



    




どうやらスミソニアン博物館からの借り物の模様。→「Display Status: This object is not on display at the National Air and Space Museum. It is either on loan or in storage.」

ロールスロイス社が1970年にスミソニアン博物館に寄付して、その後日本のスペースワールドに渡ったらしい。ポンプのタービン回した後に、インジェクタから噴く珍しいタイプであった。

推進剤:過酸化水素/ケロシン
最大推力:800~16000 lbf

Reference
[1] JATO (Jet-Assisted-Take-Off) Unit, Liquid Fueled, Double Spectre
     https://airandspace.si.edu/collection-objects/jato-jet-assisted-take-unit-liquid-fueled-double-spectre
[2] A8120 福岡県 Fukuoka Prefecture 北九州市八幡東区 スペースワールド宇宙博物館
      http://dansa.minim.ne.jp/a8112-1-KitakyusyuAP.htm
[3] デ・ハビランド スペクター



博物館がとても暗めだったので、今回は難易度高いです。
立体感を出すために、細部を見たいなら、フラッシュが基本です。
(筆者撮影, ©Orbit Seals, 191枚)







2019年3月9日土曜日

F-35B 戦闘機 ステルス機 米軍岩国基地, F-35B USMC Iwakuni, VFMA-121 Green Knights stealth fighter

F-35B 戦闘機 ステルス機 米軍岩国基地, F-35B USMC Iwakuni, VFMA-121 Green Knights stealth fighter





※350枚程の写真を掲載しています。©Orbit Seals


最近、世界各国に配備されている事で話題になっている、F-35B。

2017年の岩国フレンドシップデー(FSD)で撮影したので、写真をアップロードします。
機体は、米軍 海兵隊 岩国基地所属、第121海兵戦闘攻撃中隊 VMFA-121 Green Knights, Marine Fighter Attack Squadron 121。

F-35Bの表面は、ステルス機特有の表面処理がなされており、レーダ反射を吸収するための、RAM材をシールの様に貼っているので、通常航空機によく見られる継ぎ目やリベットがほとんど見られないことが分かる。表面処理を導電体か何かを塗っているためか、見る角度や光の具合で微妙に色が変化する。内部に色々な装備を収めつつ、レーダ反射と空力を考慮して作られた機体形状についても見る角度によって、異なる印象を受けるので、面白い。

その様な各種部品の処理からも、明らかに先端技術を集結した現代最高レベルの工業製品であることが実感できる。戦闘機や航空機に全く興味のない人も、単純に一つのプロダクトとして、見て頂けると面白いかと思う。

ステルス性や各種センサーを持ち、性能的に、通常の戦闘機と互角に渡り合えた上でのVSTOL機という所に、未来がやってきた感じがします。