更新日:2018年10月19日
1. 本屋・書店のすすめ
ネット通販時代、我々は何故本屋に足を運ぶのか?
そこに、ネット通販だけでは、出会えない本があるからである。
ネットでは味わえない感動が本屋にある。(確信)
ピンポイントで本が欲しい場合は、ネット通販は便利。ただし、貴方自身が既に欲しい本が何か完全に分かっているならば、の話である。
ネットで本を購入・比較する場合、ネット通販の情報、その本に関する口コミ、そして圧倒的に少ない幾らかのサンプル画像を基に購入する。
それは、小さな液晶画面上に制約展開される、画像・文字情報の羅列である。その制約の中で、目当ての本を検索し、比較し、検討し、購入する。これは、割と難易度が高い行為なのではないか。
中身もサンプルだけしか見れないし、本屋なら本の厚みですぐ分かるページ数さえ、画面上の情報を見なければ、想像出来ない。何枚もブラウザを立ち上げて、メモを取りながら、比較する事もあるだろう。
一方、本屋は、様々な書籍が物理的な物質として、3次元空間につみあがっている。手に取り、開くという2アクションで、中身も確認出来る。また、買うべき本が分かっていなくとも、検索ワードが分かっていなくとも、棚に存在する本を比較して購入することが出来るのだ。
◆本屋の良い点
- 本を3次元空間で展開、内容の比較が出来る。
- 様々な本を並べており、偶然の出会いがある。
- 流行や売れ筋が分かる。
- サンプル画像だけでなく、中身の確認が可能。
2. 東京の本屋・書店に行こう!
以前、引きこもりの少女を書店に連れて行った話が話題になった。
ニートの19歳女の子を札幌『紀伊国屋』に連れてったら感動して泣かれた話
http://e0166.blog89.fc2.com/blog-entry-408.html
彼女は、ネットには全てがあると信じていた。
だからこそ、外に出る必要性なども無いと感じていたのです。
それが、膨大な本に囲まれて、気が付いたようです。
ネットには、多くの人間が書評などを行っています。
誰かが言ったから買う、とか、Amazonで人気だから買う、とか。
そういう集合知によって発生する付加価値が、ネットにはほぼ必ず付いてきます。
Googleから検索するという、たったそれだけの行為でも、検索順位と言う付加価値が付いて回ります。
逆に本屋と言うのは、ほぼ全ての本が平等であり、どれを買うかは本人が調べ、考え、選び、そして購入に至ります。本屋の面白さはここにあると私は思っています。
だれもお勧めしないような本でも、自分が見て、ほしいと思う本はたくさんあるのです。
彼女は帰りの車の中、この事に気が付いてもらえたようで、現実世界の1つの自立行為(本を誰に何も言われず買う行為)に、ある種の感動を覚えたと言ってくれました。
(中略)
皆さんもネットに溺れた時は、思い出してみるといいかもしれません。
誰に聞くわけでもなく、自分で選び、考え、買い物をした時の記憶を。
では、日本で一番書籍量を販売している本屋はどこか?やはり、圧倒的な書籍量を保有・販売しているのは、東京の本屋群である。東京は、テナント料が高いため、大型店舗は限られる。しかし一店舗だけでなく、点在している本屋群を足しげく回れば大きな収穫が得られるはずだ。
地方と東京で買える物を比較した時、チェーン店で買える物は同じだ。東京で買える物は、地方のチェーン店やイオンモールで買える。東京にしかない店もたまにあるが、誰もが行きたいと思うお店は少ない。では、東京と地方の決定的な違いは何か?それは、人々が入手可能な情報量ではないか。
「東京には情報が集まる」というフレーズをよく耳にする。東京では、年間を通じて大小様々なイベントが開催されている。これらのイベントに気軽に物理的にアクセス出来るか否かが、地方との決定的な差であろう。だが、筆者はこれらに加えて本屋、図書館が取り扱っている書籍数も情報量に該当すると考えている。それが、地方民から見た実感である。
という訳で、東京に行った時は、是非大きな書店、古本屋、図書館等に立ち寄って欲しい。需要や陳列スペースの関係で、地方では扱っていないような専門書や様々な分野の本が並んでいる。
一般的な傾向の話だが、地方の本屋は、今のトレンドや売れ筋の書籍を大きな面積を使って置いている。新書コーナーを増やしたり、ビジネス書コーナーを増やしたり、漫画コーナーを充実させてる事も多い。学校の近くなら、参考書にスペースを多く割いている所もあるだろう。一方で、需要が少ない理工書・専門書等は、そもそも置いてなかったり、置いてても県庁所在地の大型書店の一角に限られる。
一方で、東京の本屋は、ベースの人口が多いので需要がそれなりにある。都内に様々な会社、大学等があり、ビジネスマンや学生が理工書・専門書を購入する等の理由から、1フロアを使って、理工書・専門書を置いている書店もある。
この様に、ラインナップが充実していることから、理工書・専門書が欲しい人にとっては、東京の本屋・書店巡りは楽しい体験になるに違いない。
また余談であるが、何か国かの大都市を旅行した身としては、本屋における理工書が取り扱われ方の貧弱っぷりを見ているので、世界的に見ても東京は、理工書のラインナップがリアル本屋で充実している都市だと思う。例えば、ロサンゼルスやニューヨークの理工書の揃い具合は、日本の地方の大きな本屋に負けていると感じた。
3. Orbit sealsがオススメする、理工書の本屋・書店巡り東京観光ガイド
1. 国会図書館 東京本館(日本最強の図書館)
http://www.ndl.go.jp/
開 館 時 間:9時30分~19時(土曜日は17時00分)
利用者登録:9時00分~18時30分(土曜日は16時30分)
休館日:日曜日、国民の祝日・休日、年末年始、第3水曜日(資料整理休館日)
住 所:〒100-8924 千代田区永田町1-10-1
何故、最初に本屋ではなく、図書館を挙げたかと言えば、日本最強の図書館(分館を含む, 蔵書数2,570万点以上)であり、一生に一回は行くべき場所だからである。ここに行ったことがある日本人が少なすぎるんですよ。(人によっては、存在すら知らない人も居る)
東京に来た本好きならば、ここに行くべきだ。ある意味で、博物館等と同等の観光名所と言って良い。
日本全国の図書館、本屋・書店は、蔵書の質・量共に、国会図書館に勝つことは出来ない。国家予算で、国内の出版物の網羅的収集を行っているからだ。基本的には、全ての本を集めている。そして、それらはここで閲覧可能だ。Amazonでプレミア付き高くて手が出せない絶版本、参考文献に引用されているが古くて手に入らない学会誌、昔読んだ週刊少年ジャンプの思い出の号まで、全て無料で閲覧可能である。
名実ともに、日本最強の図書館である。商業出版として流通する全ての本はココに集約される。専門書、学会誌、社内報、雑誌、果ては、漫画やエ○本まで何もかもだ!あなたが思い浮かべる商業本で、ここが持っていない書籍等ない!
(なお、国会図書館は、18歳未満は利用が出来ない点に注意の事)
貴方が探している本は、きっと閲覧出来るであろう。なお、本自体はあっても、分館にばらけていることもあるので、一応目的があれば事前にWebから蔵書検索をお勧めする。
2. ジュンク堂 池袋本店(池袋駅周辺)
営業時間:10時00分~22時00分
住 所:〒171-0022 東京都豊島区南池袋2丁目15-5
Google Map:ジュンク堂 池袋本店
初めて池袋のジュンク堂に来た時は、本の品揃えに感動した。体感的には、東京の中でも3本の指に入るであろう理工書の品揃えである。(数えた訳ではないので体感)
東京で理工書が手に入るオススメの本屋を挙げろと言われれば、迷わず「ジュンク堂池袋店」と答えるだろう。
物理、化学、数学等の理学分野から、工学系分野、果てはコンピュータ書籍、医学書まで、圧倒的な品揃えである。他にも、渋谷店舗や、規模は小さくなるが、吉祥寺にも店舗がある。
以前、「宇宙の溶接」という宇宙空間における溶接の専門書(ロシア語翻訳、2000年出版)を購入したのだが、普通に約20年前に出版された本がそのまま本棚に陳列されていた。約20年前に出版された本が置いてあるとは、たまげたなぁ~。
ジュンク堂が良い点は、絶版になった理工書も新品で並べているところである。恐らく、売れなくても、元の出版社に返してないのだろう。
これは、地方のジュンク堂においても同じ傾向であり、旅行に出かけた際に、ジュンク堂広島店、ジュンク堂那覇店において、絶版になり、ネット上では手に入らない本が店頭に普通に並んでいた事を確認している。
(理工書の様な需要が少ない分野だから成り立つ特殊な現象だと思われるが…)
3. 丸善・丸の内本店(東京駅周辺)
営業時間:9時00分~21時00分
住 所:100-8203 東京都千代田区丸の内1丁目6-4
Google Map:丸善 丸の内本店
丸善の本店です。(ジュンク堂と経営統合したけどね…)
OAZOの中に入ってます。昔は隣にJAXAの広報施設「JAXA i」があって、LE-7A ロケットエンジンが見られたけど、スーパー蓮舫に仕分けされて、撤退したね。仕方ないね。
丸善とジュンク堂は経営統合しているんだけど、今の所は、書店の名前はそのままの模様である。
本店だけあり、理工書の揃いが良い。特に、最近出た新しいラインナップの理工書とコンピュータ関連の書籍の揃いが良い。昔はメイン通路脇に、自然科学・理学系書籍を配置していたが、今はITやコンピュータをメイン通路脇に2018年現在は置いている。売れ筋を拡大し、売れない物は縮小させていると推察される。
9時から空いているので、朝早くから本屋を回りたい人にもオススメである。
4. 八重洲ブックセンター(東京駅周辺)
営業時間:10時00分~21時00分
住 所:100-8203 東京都中央区八重洲2丁目5-1
Google Map:八重洲ブックセンター
東京駅を挟んで、丸善の反対側(東側)にある書店。ビル1つが本屋となっている。
本屋に併設されている喫茶店は、静かで、利用者も少なく、東京駅周辺でゆっくりするスポットとしては、穴場である。
5. ブックファースト新宿店(新宿駅周辺)
営業時間:10時00分~23時00分
住 所:〒160-0023 東京都新宿区西新宿1丁目7-3 モード学園コクーンタワーB1/B2
Google Map:ブックファースト新宿店
上記の掲載写真は、販売している本の一部。2008年に出来た、比較的新しい書店。
新宿駅西側にあり、新宿駅より地下から雨でも濡れずに、ダイレクトアクセスできるのはGOODである。周りは、オフィス街のため、土日もそれほど周辺は混んでいない。
工学院大学も近いせいか、理工書が充実している。モード学園の地下なこともあり、IT関連の書籍も多い。
営業時間が23時までやっているので、夜遅く本屋に行きたい人は、チェックである。
6. 明倫館書店(神保町駅周辺)
https://www.meirinkanshoten.com/
営業時間:10時30分~18時30分(日曜定休日)
住 所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町19
Google Map:明倫館書店
古本の街:神保町には、沢山の古本屋がひしめき合う。しかし、明倫館書店は、ほぼ唯一の理工専門書店。値は張るが、絶版本等も沢山取り扱っている。
この本屋以外で、神保町において、まともな学術系理工書を扱っている本屋を知らない。
7. 航空図書館(新橋駅周辺)
http://www.aero.or.jp/koku_tosyokan/koku_toshokan.html
開館時間:月曜日~金曜日 10時00分~17時00分
住 所:〒105-0004 東京都港区新橋1丁目18−1 航空会館
Google Map:航空図書館
一般財団法人 日本航空協会が運営している、航空関係の本を所蔵している航空関係の「専門」図書館。
所蔵資料 単行本 10,000冊(洋書4,000 和書6,000) 逐次刊行物 200種類(洋雑誌45、和雑誌55、資料100) 製本雑誌 2,000冊 を揃えている。
閲覧は無料公開制。館外貸出は有料。利用方法等は、Webサイトを確認されたい。
第3土曜日は開けていたが、現在は平日しか開館していないとのこと。
8. 航空宇宙関係(非学術系)
理工書の様なガチガチの学術的な内容ではないが、図鑑やイラスト、解説本系を取り扱っている本屋を以下に列挙する。ミリタリー系等も沢山扱っている。
8-1. 西山洋書(秋葉原駅周辺)
http://www.nishiyama-yosho.co.jp/Index-Bottom.htm
営業時間: 月~金 10:30~19:30, 土日祝 10:00~19:00
住 所:〒110-0016 東京都台東区台東3丁目17番3号 勝沼ビル1F
Google Map:西山洋書
珍しい洋書専門の書店となります。航空機・鉄道・自動車・船舶・軍事・SF・ファンタジーアートの洋書専門店です。航空機が手厚く揃っています。実店舗として手に入る航空関係の洋書の品揃えとしては、ピカイチ。
以前のお店は、池袋駅周辺にありましたが、秋葉原駅・御徒町駅周辺に引っ越されたみたいです。
◆店舗訪問関連情報(池袋店時代)
F & F嫁の “FFree World” 聖地巡礼
http://blog.goo.ne.jp/prinz83/e/6a9de45c886b777097e0f63ae9726045
8-2. 書泉グランデ(神保町駅周辺)
http://www.shosen.co.jp/grande/
営業時間:平日 10:00~21:00, 土日祝 10:00~20:00 年中無休
住 所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-3-2
Google Map:書泉グランデ
昭和23年創業の老舗書店「書泉」の本店。趣味人に向けた専門性の高い書籍を豊富に取り揃えている。1フロア全体を使って、航空機、ミリタリー、乗り物等の書籍を取り扱っている。秋葉原店舗もあり、そちらもチェックしてみて下さい。
8-3. 書泉ブックタワー(秋葉原駅周辺)
http://www.shosen.co.jp/tower/
営業時間:10:00~21:00 定休日 年中無休営業
住 所:〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-11-1
Google Map:書泉ブックタワー
書泉の秋葉原店舗。秋葉原駅から徒歩1分。趣味人専用の大型書店。同様に、航空機、ミリタリー、乗り物等の書籍を取り扱っている。理工書としては、コンピュータ等についても置いてある。
◆店舗訪問関連情報
・ふうかのボードゲーム日記 書泉グランデへいってみた
http://fu-ka.livedoor.biz/archives/1674267.html
・続・御殿場ボロヨン画報 発売前日の書店訪問 書泉グランデさんetc
http://blogs.yahoo.co.jp/ponkotz_8/35330900.html
9. 番外編 -オシャレ本屋-
内容重視にて、割とガチな感じで解説したが、東京は「オシャレ本屋」というのもある。いわゆる、中身のない、雰囲気本屋、ファッション本屋である。東京の本屋は、地方にない品揃えも魅力だが、地方にはない雰囲気のお店があるというのも魅力の一つ。
「オシャレ」に本屋のパラメーターを「全振り」した本屋を、観光ついでに、散歩・コーヒー等を飲みつつ、訪れてみると良い。
代官山 蔦屋書店
※なお、上記の書店は、「雰囲気」が珍しいだけで、理工書は無いので悪しからず。ベストセラーや色彩豊かな本が陳列対象となっている。
10. 最後に
因みに、東京の紀伊国屋書店を上げてないのは、理工書の品ぞろえとして、超絶微妙だから…。新宿の紀伊国屋に行くぐらいなら、ブックファースト新宿店に行った方が良い。
ただ、そもそも読書好きの人、読書好きの東京人が大半という訳ではない。渋谷のスクランブル交差点やハチ公前に居る人達等は、本への興味は薄いだろう。
その証拠に、渋谷 大盛堂書店は、スクランブル交差点の真ん前にあっても、人の出入りがまばらだ。スクランブル交差点の一等地なのに。つまり、渋谷のスクランブル交差点を行き来する様な人というのは、本に興味が無いのだ。
それとも単に、TSUTAYAの様な、ファッション本屋が好きなだけかもしれないが…
なお、ハチ公前より人は居ないので、大盛堂書店は、待ち合わせ場所として、オススメである。
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