もう14年も前の話(2004年)になるが、「茨城県内の中小企業が小型衛星打上げロケットを開発する」というニュースを耳にした。「おっ、ええやん!」「計画内容について話を聴きたい」等と当時の私は思ったものだが、その後続報は全くない。結局の所、2005年まで話は聞こえていたが、計画そのものは消滅したと認識している。当時の本件に関する情報をまとめてみたい。
1. 小型ロケットビジネス研究会設立経緯
- 2003年以前:N-I~H-IIAロケット開発まで、大きな役割を果たした、JAXA 柴藤羊二氏のロケット開発ノウハウと茨城県の企業技術を組み合わせる事で、小型衛星打上げロケットを開発出来ないか検討がなされる。
- 2003年2月:㈱つくば研究支援センターを中心に準備会を開催。
- 2004年7月:設立準備会。㈱ベンチャーラボ、㈱つくば研究支援センター、NPO法人ひたちなかワーク東邦殖産㈱・金澤工業㈱・茨城県商工労働部が名前を連ね、中小の企業十数社が正式入会の意志を固める前の段階で名簿に名を連ねる。
- 2004年9月16日:茨城県内の中小企業15社にて、小型ロケットの製造・打ち上げを目指して研究会を発足。松本零士氏の記念公演を実施。6ヶ月の2005年3月末日までに、技術面の研究や市場調査を行い、ビジネスとして成立すると結論が出れば、新会社を設立して事業展開に乗り出す計画。早ければ2008年にもロケット打ち上げを目指す。
小型ロケットビジネス研究会設立趣意書
国内の宇宙産業を取り巻く状況は、東大阪など地域中小企業、商社、大学等において小型の人工衛星の開発が始まるなど、活発化してきている。しかしながら、衛星の打ち上げは日本では専門的に実施している企業はなく、ロシア等の外国企業に依頼せざるを得ない状況である。
一方、茨城県の歴史を振り返ってみると、現つくば市谷田部の飯塚伊賀七(からくり伊賀七)は宝暦年間にからくり人形や大時計を開発し、飛行機をつくり飛行を試みようとしたとの史実もあり、その最先端へのチャレンジ精神は水戸藩校弘道館の天文数学所を経て、現在の本県ものづくり技術へと綿々と引き継がれている。
こうした優れたものづくり技術を字音へものを運ぶロケット製造に結びつけられないか、ロケットビジネスとして展開できないかとの思いから、昨年末よりその可能性を追求してきた。
その結果、打ち上げにかかる技術面とビジネス面での事業可能性を探ること、更には小型ロケット製作を想定した県内中小企業の育成策などを今後半年間かけて調査することとし、この度、県内15社からなる「小型ロケットビジネス研究会」を設立するものである。
引用元:県内の中小企業15社がロケット開発に挑戦 , http://blog.hitachi-net.jp/archives/6893784.html
2. 本計画が中止になった理由
本計画は、JAXAの「地域・中小企業との連携」資料(平成17年度)にも記載されていた。
JAXAの「地域・中小企業との連携」資料(平成17年度)
確認を行ったわけではないが、2018年現在において、その後続報は全くない。結局の所、2005年まで話は聞こえていたが、計画そのものは消滅したと見られる。
その理由については、資金が確保出来なかった事と、JAXAとのパイプ役かつロケット技術のアドバイザーである柴藤氏の容態が悪化し、2008年に亡くなった事が原因として大きいだろう。
まず資金については、本事業には、総開発経費:20億円を見込んでおり、
- 何らかの公的な資金の導入が必須
- 技術開発リスクに対しても、JAXAの様な公的起案による技術支援なしには、事実上、この計画は不可能といわざるをえません。その意味で、今後、JAXAとの綿密な調整が必要
と小林代表は寄稿にて語っている。本開発については、持ち出し予算ではなく、確保は出来なかったようだ。2004年以降に、20億円の資金が公的に投入されたという事実は確認出来ない。
また、ロケット自体は予備設計を2005年3月に完了していた。しかしながら、宇宙開発を全く行っていない企業が、これまでの業務と関係が無い宇宙ロケットの具体的な設計を即座に行えると考えるのは不自然である。
従って、このロケット設計は、JAXAの柴藤氏が中心になって実施したと見られ、JAXAとのパイプ役でもあった柴藤氏が2008年に亡くなった事により、技術的な知見・ノウハウの面でも、本計画は終了したと見られる。
3. 予備設計におけるロケットの性能値・諸元等 概要
本計画で予備設計されたロケットの概要を示す。
本ロケットは、2010年代から世界で流行りだした、「小型商用衛星」打上げにフォーカスを当てたロケット開発を目指していた。ただし、超小型衛星という訳ではなく、300kg程度の小型衛星を高度300km程度のLEOに投入する性能を目指していた。
本ロケットは、2010年代から世界で流行りだした、「小型商用衛星」打上げにフォーカスを当てたロケット開発を目指していた。ただし、超小型衛星という訳ではなく、300kg程度の小型衛星を高度300km程度のLEOに投入する性能を目指していた。
開発総経費:20億円
打上コスト:1億円/機
打上方式 :射点起立型
需要見込み:30機/4年間
ターゲット:小型商用衛星
打上げ軌道:高度300km (LEO)
全 長:22.0m
直 径:0.17m
全重量:25.4t
搭載能力:300kg
打上コスト:1億円/機
打上方式 :射点起立型
需要見込み:30機/4年間
ターゲット:小型商用衛星
打上げ軌道:高度300km (LEO)
全 長:22.0m
直 径:0.17m
全重量:25.4t
搭載能力:300kg
第1段目
推進剤質量 :18.2t
構造質量 :1.7t
推力 (真空):8t ×5基
比推力(真空):310 s
推進剤:LOX/LNG
第2段目
推進剤質量 :5t
構造質量 :0.5t
推力 (真空):8t ×5基
比推力(真空):310 s
推進剤:LOX/LNG
予定スケジュール
2005~2007年:基本設計後半、サブシステム設計、実機製作、射場設計・建設
2007年末:1号機打上げ
2008年:実証機2機打上げ
2009年:商業衛星打上げ販売開始
推進剤の燃料には、LNG、液化天然ガスが使用されている。そのほとんどの成分はいわゆる、メタンガスである。このガスは燃えにくく、ソ連のOKB-2 イサエフ設計局等では、沢山の地上試験エンジンを開発したが、未だに宇宙ロケットに搭載された実用化はなされてない。
2015年時点で開発中のLOX/メタン推進剤のロケットエンジン
2005年当時、日本国内ではGXロケットと呼ばれる宇宙ロケットが開発されていた。第2段目には、IHI製のLE-8ロケットエンジンを搭載する予定であり、これが世界初のメタンを利用するロケットエンジンとなる予定だったが、計画中止によって、それは消滅した。
柴藤氏が予備設計を行ったと考えれば、当時開発中であった、GXロケットの第2段ロケットエンジン:LE-8を意識した構成になっていると見られる。液体水素は、取扱いが難しいため、適当な炭化水素系燃料を考えた際に、LOX/LNGの選択肢に行きついたのではないだろうか。
GXロケット(上)と本計画のロケット(下)
CGの構成は瓜二つである
- 特に重要な遠因については、開発コストを極力下げるために、民生品のターボチャージャーを改良して燃料ポンプに使用します。
- ロケットエンジンについては、茨城大学との共同研究を進めている。
- 部品点数の削減、共通化で、可能な限りシステムを簡素化する。
民生品のターボチャージャーを改良して、目的と性能が発揮できるかどうかは、非常に疑問な所だが、出来るだけコストを抑えるために考えていた様である。
射場については、追尾系、危機管理等、JAXAに技術協力を仰ぐ予定であった。下記に射場の概要図を示すが、建物で組み立て、射点に運んで起立させる方式だった様だ。
射場の概要図
4. 結論
上手く行った例は、世の中に溢れているが、上手く行かなかった例は、情報が埋もれてしまう。上手く行った例は、氷山の一角に過ぎないというのに。プロジェクトXは、大体的に取り上げられるのに、プロジェクト×(バッテン)は、特集しても視聴者が面白がって見ないから仕方のない事ではあるけれども。
しかし、情報を対比することで、上手く行かなかったケースと上手く行ったケースが何が違う要素だったのか、分析するのには、役立つ。
様々な、プロジェクトに関するストーリー、あるいは成功例を見てきたが、大きな事業を行う際に、極めて少人数の情熱やたった1人のリーダーシップが、重要であることは間違いない。1人の情熱に皆が集まり、世界を変えるのである。
今回から学べることは、「重要なキーマンやリーダーは、プロジェクトにおいて、絶対最後まで確保せよ」という事である。予算も重要だが、二の次だ。
5. 余談
ところで、「なつのロケット」という、小学生がロケットを作る漫画がある。
(以下、ネタバレ注意)
後書きの部分で「専門家に見せたところ」との旨が書かれているが、その『専門家』こそ、本記事の中に出てくる「柴藤羊二氏」その人であった。
漫画化にあたり、病床の柴藤氏に持って行き、意見を聞いたそうである。後に退院した柴藤氏が、それまでロケットの大型化一辺倒だったのを小型ロケットを向いたのは「なつのロケット」の影響ではないかと考えるほどで、漫画化に当たってロケットの小型化について何度も議論したとのことである。
一方で、重要なキーマンやリーダーのリーダー確保の重要性については、漫画「なつのロケット」のストーリーを見れば分かる。某主人公1が居なくなったが、某主人公2が引き継いだシーンだ。某主人公2が居なかったら、あの漫画のストーリーは、あそこで終わってる。
References
[1] 小型ロケットビジネス研究会 その軌跡,
http://www.net1.jway.ne.jp/kemusan/ro-main.html
[2] 県内の中小企業15社がロケット開発に挑戦, ほっとメール@ひたち, 2004年9月16日
http://blog.hitachi-net.jp/archives/6893784.html
[3] 産学官連携活動の現状について, 宇宙航空研究開発機構産学官連携部, 平成17年1月26日
http://www.jaxa.jp/press/2005/01/20050126_sac_spacebiz.pdf
[4] 訃報:柴藤羊二さん
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2008/04/post_235e.html
[5] 翔べ!茨城発の小型ロケット, いっとじゅっけん, 2005.3
[6] Subscale Firing Test for Regenerative Cooling LOX/Methane Rocket Engine, IHI and JAXA
https://www.eucass.eu/doi/EUCASS2017-381.pdf
Sixteen years ago (2004), I heard the news that a small and medium-sized enterprise in Ibaraki Prefecture was going to develop a small satellite launch vehicle. I thought, "Oh, that's great! I would love to hear about the plan," I thought at the time, but there has been no further news since then. After all, I was aware that the plan itself disappeared, although I had heard about it until 2005. I would like to summarize the information about this case at that time.
In his contribution, Mr. Kobayashi said. There is no evidence that any funds of 2 billion yen have been publicly invested in the project since 2004.
3. Performance Values and Characteristics of the Small Satellite Launch Vehicle in Preliminary Design
Propellant fuels include LNG and liquefied natural gas. Most of these fuels are methane gas. This gas is not flammable, and the Soviet Union's OKB-2 Isaev Design Bureau has developed a number of ground test engines, but they have not yet been installed in a space rocket.
4. Conclusion
5. Postscript
References
[1] 小型ロケットビジネス研究会 その軌跡,
http://www.net1.jway.ne.jp/kemusan/ro-main.html
[2] 県内の中小企業15社がロケット開発に挑戦, ほっとメール@ひたち, 2004年9月16日
http://blog.hitachi-net.jp/archives/6893784.html
[3] 産学官連携活動の現状について, 宇宙航空研究開発機構産学官連携部, 平成17年1月26日
http://www.jaxa.jp/press/2005/01/20050126_sac_spacebiz.pdf
[4] 訃報:柴藤羊二さん
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2008/04/post_235e.html
[5] 翔べ!茨城発の小型ロケット, いっとじゅっけん, 2005.3
[6] Subscale Firing Test for Regenerative Cooling LOX/Methane Rocket Engine, IHI and JAXA
https://www.eucass.eu/doi/EUCASS2017-381.pdf
1. How the Small Rocket Business Study Group was established
- Before 2003: The possibility of developing a small satellite launch vehicle will be explored by combining the know-how of JAXA's Dr. Yoji Shibato, who played a major role in the development of the N-I through H-IIA rockets, with Ibaraki Prefecture's technology.
- February 2003: A preparatory meeting was held mainly by the Tsukuba Research Support Center Co.
- July 2004: Preparatory meeting for the establishment. Ltd., Tsukuba Research Support Center, NPO Hitachinaka Work Toho Shokusan, Kanazawa Kogyo, and the Ibaraki Prefecture Department of Commerce, Industry and Labor.
- September 16, 2004: Fifteen small and medium-sized companies in Ibaraki Prefecture start a study group for the production and launch of a small rocket. They plan to conduct technical research and market surveys by the end of March 2005, which is six months away. The goal is to launch a rocket as early as 2008.
Founding Prospectus of the Small Rocket Business Research Society
The situation surrounding the domestic space industry is becoming more and more active, with local small and medium-sized enterprises, trading companies, and universities, such as those in Higashi Osaka, beginning to develop small satellites. However, there are no companies in Japan that specialize in launching satellites, and we have no choice but to ask foreign companies, such as those in Russia, to do so.Looking back at the history of Ibaraki Prefecture, it is said that Iizuka Iga-Shichi (Karakuri Iga-Shichi) of Yatabe, Tsukuba City, developed karakuri dolls and a large clock in the Horeki era (1592 - 1597) and attempted to make an airplane and fly.Since the end of last year, we have pursued the possibility of combining these advanced manufacturing technologies with rocket manufacturing to develop the rocket business.As a result, over the next six months, we will investigate the technical and business possibilities of launching rockets and the possibility of fostering small businesses in the prefecture to produce small rockets.
引用元:県内の中小企業15社がロケット開発に挑戦 , http://blog.hitachi-net.jp/archives/6893784.html
2. Reasons for the cancellation of this project
This plan was described in JAXA's "Collaboration with Local Communities and Small and Medium-Sized Enterprises" document (FY 2005).
JAXA's "Collaboration with Local Communities and Small and Medium-Sized Businesses" document (FY 2005)
As of 2020, there has been no further word on the project. After all, although there was talk of it until 2005, the project itself seems to have disappeared.
The main reasons for this were a lack of funding and the death of Dr. Shibato in 2008 due to the deteriorating condition of his role as a conduit for JAXA and advisor on rocket technology.
In terms of funding, the project was expected to have a total development cost of 2 billion yen.
- Some kind of public funding is essential.
- Without public technical support from JAXA, this plan would be virtually impossible to implement, even for technical development risks. In that sense, close coordination with JAXA will be necessary in the future.
In his contribution, Mr. Kobayashi said. There is no evidence that any funds of 2 billion yen have been publicly invested in the project since 2004.
In addition, the preliminary design of the rocket itself was completed in March 2005. However, it is unnatural to think that a company that is not engaged in space development can immediately design a specific space launch vehicle that has nothing to do with its past work.
Therefore, it seems that Dr. Shibato of JAXA was the main person who designed the rocket, and with the death of Mr. Shibafuji in 2008, this project seems to have ended in terms of technical knowledge and know-how.
3. Performance Values and Characteristics of the Small Satellite Launch Vehicle in Preliminary Design
Here is an outline of the rocket that was pre-designed in this project.
This rocket was designed to focus on the launch of a small commercial satellite, which has become popular in the world since the 2010s. However, it is not a microsatellite, but rather a small satellite weighing about 300 kg that can be launched into LEO at an altitude of about 300 km.
Planned Small Satellite Launch Vehicle
Number of stages: 2-stage rocket
Total Development Cost: 2 billion yen
Launching cost: 100 million yen/machine
Launch Method : Launching Type
Projected demand: 30 aircraft / 4 years
Target: Small commercial satellite
Launch Path: 300 km (LEO)
Length: 22.0m
Diameter: 0.17m
Total weight: 25.4t
Carrying capacity: 300kg
1st Stage
Propellant mass : 18.2t
Structural mass : 1.7t
Thrust (vacuum): 8t × 5
Specific Impulse (vacuum): 310 s
Propellant:LOX/LNG
2nd Stage
Propellant mass:5t
Structural mass : 0.5t
Thrust (vacuum):8t ×5
Specific Impulse (vacuum):310 s
Propellant:LOX/LNG
Scheduled Schedule
2005-2007: Second half of basic design, sub-system design,
manufacturing of actual equipment, launch pad design and construction
End of 2007: Launch of the first unit
2008: Launches two demonstration aircraft
2009: Commercial satellite launches and sales begin.
Propellant fuels include LNG and liquefied natural gas. Most of these fuels are methane gas. This gas is not flammable, and the Soviet Union's OKB-2 Isaev Design Bureau has developed a number of ground test engines, but they have not yet been installed in a space rocket.
LOX/methane propellant rocket engine under development as of 2015
In 2005, a space rocket called the GX rocket was being developed in Japan. The second stage was to have an IHI LE-8 rocket engine, which was to be the world's first methane powered rocket engine, but the plan was cancelled.
Dr. Shibafuto's preliminary design was probably based on the LE-8, the second stage rocket engine for the GX rocket, which was under development at the time. Since liquid hydrogen is difficult to handle, when considering an appropriate hydrocarbon fuel, he may have come up with LOX/LNG as an option.
GX rocket (top) and the project's rocket (bottom)
The composition of the CG is a perfect match.
Also, the following description of the rocket engine was made in an article at the time.
- For a particularly important distant cause, consumer turbochargers will be modified and used for fuel pumps in order to reduce development costs as much as possible.
- As for the rocket engine, we are collaborating with Ibaraki University.
- We will simplify the system as much as possible by reducing the number of components and sharing them.
It is very doubtful whether the purpose and performance can be achieved by improving a civilian turbocharger, but they were thinking about it to keep the cost as low as possible.
For the launch site, JAXA was going to ask for technical support for the tracking and crisis management systems. The outline of the launch site is shown below, and it was to be assembled in a building and transported to the launch site.
Diagram of the firing range
4. Conclusion
Unfortunately, this project was cancelled, but in the United States and other countries, such cancellation of civilian rocket development has happened frequently since the Apollo program. In Japan, it is difficult to find examples of cancelled projects because the rocket business is so small.
There are plenty of examples of successful projects in the world, but information about unsuccessful projects is buried. The examples of successful projects are just the tip of the iceberg. Project X gets a lot of coverage, while Project X (Batten) doesn't get a lot of attention from viewers, so it can't be helped.
However, it's useful to contrast information to analyze what the different elements were in the cases that didn't work and what worked.
As we have seen the stories and successes of various projects, there is no doubt that the passion of a very small group of people and the leadership of a single person are important when it comes to large projects; one person's passion can bring everyone together and change the world.
What we can learn from this time is that the key people and leaders in a project must be retained until the very end. Budget is important, but it's secondary.
5. Postscript
y the way, there's a manga called "Natsu-no-Rocket" in which elementary school kids make rockets. (Spoiler alert below)
In the postscript, it is stated that "I just showed it to an expert," and this "expert" was the very same Dr. Yoji Shibato who is mentioned in the article.
When it was time to make the manga, he took it to Shibato, who was sick in bed, and asked his opinion. Later, when he came out of the hospital, Shibafuji was so devoted to making larger rockets that he turned his attention to smaller rockets, which he thought might have been influenced by Natsu no Rocket.
On the other hand, the importance of securing key people and leaders as leaders can be seen in the story of the Natsu no Ryoketto manga. It's a scene where a certain protagonist 1 is gone, but a certain protagonist 2 has taken over. If a certain protagonist 2 wasn't there, the story of that manga would have ended right there.
References
[1] 小型ロケットビジネス研究会 その軌跡,
http://www.net1.jway.ne.jp/kemusan/ro-main.html
[2] 県内の中小企業15社がロケット開発に挑戦, ほっとメール@ひたち, 2004年9月16日
http://blog.hitachi-net.jp/archives/6893784.html
[3] 産学官連携活動の現状について, 宇宙航空研究開発機構産学官連携部, 平成17年1月26日
http://www.jaxa.jp/press/2005/01/20050126_sac_spacebiz.pdf
[4] 訃報:柴藤羊二さん
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2008/04/post_235e.html
[5] 翔べ!茨城発の小型ロケット, いっとじゅっけん, 2005.3
[6] Subscale Firing Test for Regenerative Cooling LOX/Methane Rocket Engine, IHI and JAXA
https://www.eucass.eu/doi/EUCASS2017-381.pdf
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