2018年6月2日土曜日

宇宙映画 サリュート7、冷戦の宇宙開発, Salute7 Space development during the Cold War

宇宙映画:サリュート7、冷戦の宇宙開発,
Салют7, Salute7, Space development during the Cold War







ソユーズやソ連製宇宙機には、米国の宇宙機にない独特のカッコよさがあると思う。
先日、ロシア映画:サリュート7を劇場まで見に足を運んだ。そして最近、サリュート7がAmazonでネット配信(字幕版/吹き替え版)し始めた。とても良い映画なので、是非お勧めしたい。

完全に全部実話構成という訳ではないようだが、それにしても、あのミッションを完遂するというのは、優秀な宇宙飛行士にしか出来ないだろう。普通の人なら1万回やっても達成できない。







   




以前、映画「ガガーリン 世界を変えた108分」映画も劇場で見たけど、暗い感じでたんたんと物語が進んでたと記憶している。一方で、サリュート7にはハリウッド的な迫力重視で、非常に良かった。ガガーリンに比べて、エンタメ寄りの作りだったのも◎である。

サリュート7は、字幕劇場版しか見てないが、気になった日本語訳は以下の通り。
  ・宇宙のちり→スペースデブリ
  ・670mm水銀→670mmHg (圧力単位)




   



◆EVA用の命綱固定バー
今まで、米国のEVA(船外活動)しか見たことなかったが、サリュート7で(CGではあるが)ソ連の宇宙ステーション周りのEVAを見れてとてもよかった。映像を見た時は、宇宙ステーションの周りに固定されているバーに着目して欲しい。

2000年代に、JAXA 筑波宇宙センターで、きぼうモジュールが打ち上げられる前、ガラス越しに本物を見る事が出来た事がある。そこに付いているEVA用?の黄色のバーが、サリュート7のEVA用のバーと同じだったんだなぁと思いました。命綱付けるんだろうね。




予告動画で出て来るEVA用のバー(黄色部分)




きぼうモジュールとEVA用のバー(黄色部分)





◆ソ連の宇宙ステーションを丸ごと回収するスペースシャトル





サリュート7を鹵獲するスペースシャトルの図(ロシア連邦宇宙局公式映像)






サリュート7のドキュメンタリー



サリュート7の物語の中に、制御不能に陥ったソ連の宇宙ステーションを丸ごと地上に持ち帰る米国のスペースシャトルの脅威がソ連人の中で、議論されている。ロスコスモス公式映像でも、その旨紹介されているので、映像を見て欲しい。

サリュート宇宙ステーションは、軍事宇宙ステーションとしての側面も持っていた。JAXAの公式Webでも、少なくともサリュート2号、3号、5号が軍事目的の宇宙ステーションであったと述べている。



米国が宇宙ステーションごと、持ち帰ろうとしていたか定かではない。しかし、スペースシャトルは、当初の開発計画より、軌道投入した後に、ソ連の軍事衛星を捕獲してカーゴベイに収納、地上に持ち帰るというミッションも想定されていたので、その様な計画があっても不思議ではない。


余談だが、宇宙ではなく、深海の分野では既にその様な過去事例がある。1986年10月3日、ソ連の弾道ミサイル搭載型原子力潜水艦K-219が、R-27弾道ミサイルを搭載したまま、大西洋深海6000mに沈んだ事件があった。後日ソ連側の船が深海を調査した所、沈んだk-219から核弾頭とミサイルがハッチこじ開けられて全て消滅していた。

核弾頭とミサイルは、米国に奪われたのか?既に1974年、CIAが特殊サルベージ船を用いて、太平洋に沈没したソ連のゴルフ級潜水艦K-129を極秘裏に丸ごと引き上げた事例(プロジェクトジェニファー)が存在し、実際、深海5000mから潜水艦を丸ごとサルベージ出来る能力と実績がある米国なら、可能であっただろう。


米国が敵国装備鹵獲の意志を強く持った国家であるなら、宇宙でソ連の宇宙ステーション回収する等、楽勝である。よって、ソ連側の懸念は正当性のあるものであったと思われる。



References
[1] JAXA情報センター, http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/salyut.html
[2] Classified Shuttle Missions: Secrets in Space
     https://www.space.com/34522-secret-shuttle-missions.html
[3] 敵対水域, ピーターハクソーゼン, 1998
[4] プロジェクトジェニファー, Wikipedia



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