2019年1月19日土曜日

ASUSのTurbo GPU GeForce GTXは液漏れを起こし耐久性に難あり?, ASUS Turbo GPU GeForce GTX Leaks liquid and Weak durability?

ASUSのTurbo GPU GeForce GTXは液漏れを起こして耐久性に難あり?,
ASUS Turbo GPU GeForce GTX Leaks liquid and Weak durability?




連続して複数のGPUを24時間約半年間稼働させる機会があった。その結果、一部の機種でGPUから液漏れが起こることが分かった。外排気ブロワーファン型は、あまりオススメ出来ない。





連続してGPUを24時間約半年、複数稼働させる機会があった。実を言うと、マイニングリグを構築し、GPUを24時間約半年間ぶん回してみた。電気代だけかかって、全く良い事は無かったが、PC部品の耐久性や挙動を知ることが出来たのは、面白かった。

浮動小数点数演算能力で、最大理論性能は合計約130TFlops。初期の地球シミュレータ(第2世代、2009年)並みの浮動小数点数演算能力となった。しかし、10年前のスパコン並みの計算力を手に入れる代償として排熱が充満、窓を開けてても30℃を突破し、地獄と化していた。本当に酷かった…



参考:地球シミュレーター(初代(右)と 第2世代(左))


時代は常に進化している様で、2018年12月現在、NVIDIAから、たった1つのGPUのみで、130TFlopsを得れるモンスターGPUが既に発表されており、機械学習や人工知能分野で大いに期待できそうである。




GPUは、各社バラバラに混在し使用してみた。それらは全て半年運転間、計算機能的には、全て問題なく稼動し続けた。しかし、運転終了後、外観検査した所、ASUSのGPUのみ、異常な外観を示した。

以下のASUS TURBOシリーズを使用していたが、結論から言えば、使用していた合計4台が全て液漏れを起こした。ただし、重ねて言うが、計算機能的には、最後まで問題は無かった。

  1. ASUS GeForce GTX 1080Ti TURBO-GTX1080TI-11G  × 2台
  2. ASUS GeForce GTX 1070 TURBO-GTX1070-8G    × 2台





このTURBOシリーズは、ゲーミング用GPUの様にケースの中に排気する「内排気式」ではなく、ケース内から外部へと一方方向に排気を排出する「外排気」タイプである。ワークステーション等で使われるGPUの冷却ファン方式である。




内排気式(右)と 外排気式(左)

画像参照引用元:「外排気が良い?GTX1080 Founders Edition」
http://blog.livedoor.jp/cat_nyan/archives/1812986.html


上記左側の「内排気式」は、オープンタイプの冷却ファンであり、2~3のファンが付いていて、冷却能力が外排気式と比べて良い。ただし、排気熱がPCケース内にまき散らされるデメリットを抱える。

上記右側の「外排気式」は、GPU自体全体をカバーで覆い、1つのシロッコファンにて内部から外へと排出する。PCケース内に排気熱はまき散らされないが、GPU自体に熱がこもりやすく、冷却能力が内排気式と比べて低い。(ゲーミングやマイニング用途としては、全て覆うがために、GPU自体に熱的にこもりやすく、毛嫌いされるタイプである。後者は、オープンフレームにて使用するため、一方方向に排出する必要もない。)



さて話を戻すが、液漏れの現象、状態としては、裏の基盤側から液体がにじみ出ていた。基盤側の細かい穴の部分から漏れ出ていた。当初は、グリスかと思ったが、触ってみたところ粘性は殆どない油といった感じである。

分解してないため、漏れ箇所は不明だったが、恐らく、内部のヒートパイプの作動流体が漏れ出た物と推察する。シロッコファン周辺部ではない所からも液体のにじみを確認出来たためである。使用していた4台とも何かしらの漏れを観測したが、一番酷い機種では、指でなぞると液滴が確認・付着できるレベルであった。

なお、近年のGPUのコンデンサは、固体コンデンサを使用しており、液体コンデンサの液漏れはなさそうである。

自分以外にもこの現象が起きてないかと、ネット上で販売されている中古を調べてみたが、他者の中古品も、同等の漏れが、かなりの割合で出ているみたいで、このTURBOシリーズ GTX 1000番台全体の傾向に見える。ASUS TURBOの型番について、GTX1060、1070、1070Ti、1080、1080Ti関係なく、以下のような状態になっている。基本的な機械的構造が同じであれば、TURBOシリーズを通じて、同じ問題が発生する可能性はありそうだ。








同じく基盤裏より部分的に液漏れを起こしたと見られる
ASUS TURBO 1000番台シリーズのネット上画像をピックアップした
多くの中古が、かなりの割合で、基盤に液体状のにじみが発生している
(販売者らは、この現象に気付いていない?)



そういう訳で、この型番の中古を買う事は、正直お勧めできない。注意して見ないと分からないので、ざっと基盤画像を見て、気にせず中古品をポチる人も居そうである…

ファンがオープンタイプのゲーミング用途向けでは、ファンが2個、3個付いている物もあり、冷却もスムーズだが、TURBOシリーズは、ファンが1個しか付いておらず、GPUをカバーで覆っているため、熱の逃げ具合は、どうしても劣ってしまう。

なお、メーカーも「従来比2倍」とうたっており、パッケージにも「耐久性最長2倍」と後ろに大きく主張して書かれている。寿命を強調する当たり、ここから察するに、シロッコファンかつファンが1つしか付いていない外排気式のTURBOタイプは、そもそも寿命が短いのかもしれない。




「デュアルボールベアリングファン 従来比2倍の長寿命を実現」
と書かれている



半導体は、無可動であり、余程な無茶をしない限り、易々と壊れる事はない。つまり、GPUの寿命は、機械稼働部品である、冷却ファンや冷却系統の寿命に左右される。

液体のにじみが何なのかは不明だったが、ヒートパイプの作動流体であろうか?グリスであろうか? 電子機器に使用する物なので、基本的には不導体の液体で製造されていると考え、ショートの可能性は低いと思うが、正直な所、マザーボードにGPUからの液体が滴り落ちるのは想像したくない光景である。


なお、新型のASUS TURBOシリーズ(GTX2000番台)では、ケースが一新されており、1000番台から冷却機構も修正された可能性はある。




最後になるが、筆者のオススメグラボは、ELSAかMSIで、オープンタイプの内排気式ファンのものである。


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