2025年1月4日土曜日

2025年の現状memo

2025年の現状memo



1.世界的なトレンド

・ソ連崩壊、冷戦終結(1991)からの国際協力の終焉(1990年代-2022)
 
・新冷戦開始、大国間同士の競争(2017-)
 ・軍事技術の優位性確保のための宇宙開発と商業宇宙開発の並行
    米国:アルテミス計画, ゲートウェイ, ISS, 民間宇宙開発(SpaceX, Blue origin等)
    中国:有人月面着陸, Tiangong 宇宙ステーション, 民間宇宙開発
      (i-Space, LandSpace等、弾道ミサイル技術派生, 軍民融合政策)
  
 ・戦場の速度が変わる世界
   ・Starshipによる兵站輸送
   ・コンステレーション衛星による地上監視、ミサイルのターゲティング

 ・民間宇宙開発の勃興(SpaceX, Blue origin, RocketLab等)

 ・SpaceXかSpaceX以外か
   ・火星有人飛行に向けた一連の開発(Starship, 再使用大型ロケット)
   ・Starlink、安全保障、既存の通信会社のパイを食えるネットインフラ
   ・特許を取得しない戦略、上流から下流までの民間一企業によるClosedな開発
   ・税金不使用の宇宙開発、技術セキュリティー強化、NTRSの様なopen世界ではない
   ・Starship1回の打ち上げ費用300万ドル, 打ち上げコスト$20/kg
    (100万円/kgからの桁down)
   ・コストの安い大型ロケット vs 小型ロケット(軌道選択性の優位はあるか?)

 ・SpaceXの主張変化
   ・「これからは小型衛星の時代、小型衛星ロケット(Falcon1)を造る!」(2002)
   ・「小型衛星の大量打上ロケット(Falcon9)があれば打上価格下がる」(2010)
   ・「小型衛星なんかにこだわる必要ねンだわ(Starship)」(2023)

 
 ・宇宙輸送は宇宙へのアクセス権。能力高低を別にして、各国独自で持つ?
   ・各国は、理由を付けて安全保障と結びつけたブロック経済化?
   ・ITAR等により、米国は宇宙ロケットを気軽に輸出できるとは考えられない
   ・宇宙輸送というサービスパッケージで売るなら、特許侵害が問題にならない


・AI技術、ロボット技術による無人化、技術開発の加速
   ・無人化自動化による電力需要の増大 vs グリーンエコノミー
    ・原子力発電、核融合発電
   ・均質ではない世界(技術が一部企業に集中、個人の影響力の拡大)
   ・グローバル企業の台頭

・宇宙開発で利益が出る分野【※注記:SpaceXはこの全てを実行可能
  1.通信
    ・インターネット通信衛星(Starlink等)
  2.リモートセンシング
    ・大量の衛星によりリアルタイム性が上がれば、新たなサービスの創生有?
  3.防衛、軍事
    ・経済的持続性のない公共事業、米中対立が持続する間は需要有
  4.  エンタメ 
    ・富裕層の宇宙旅行(軌道旅行、サブオービタル)等
  5.  資源開発
    ・月面開発、D-He3核融合が実現できる数十年後まで現実的ではない
    ・小惑星資源開発、ロケット宇宙機の値段が安くなればチャンス有

・宇宙開発で利益が出る分野の中期的な展望
  ・インターネット通信衛星、リモートセンシング等の質量が無いのデータのやり取りが
   宇宙開発事業の経済的中心。あるいは、防衛、宇宙科学等の公共事業。

  ・月の石を持ち帰っても、利益が出るお金を払う人が居なければ経済的持続性はない。

・宇宙開発で利益が出る分野の長期的な展望
  ・1990年代以降、IT分野は、人の労働力を置き換えることで無限の経済的価値を
   創出したが、宇宙開発が無限の経済的価値を創出するには、地球外の無限の資源を
   安く入手する必要があり、それを実現する低コスト輸送手段が必要である。

  ・輸送手段の低コスト化、大型化、原子力を利用した宇宙輸送システムの出現


2.日本

・少子高齢社会(従前の分野維持だけでも人数が必要)、人材的な拡大路線の不可能性


3.未来予測の問題点

  1. 想定に対して未来予測と計画を立てる。想定が変わったら、対応を変える必要がある。
  2. データの不足や不正確さ、不確実性。予測精度の限界。
  3. 予測のバイアス(過去への依存、人間の主観や偏見)
  4. 複雑な要因の相互作用(バタフライエフェクト、(例) 野獣先輩)
  5. 非現実的な仮定の使用
  6. 予想外のイベント(ブラックスワン、予測不可能な事象、破壊的イノベーション)
  7. 実行可能性の欠如(経済状況、リソースの制約、現場との剥離)


4.未来予測・計画について思う事

  1. 計画通り全て上手く行けば、人生に失敗は無く、会社は倒産せず、世の中成功者ばかりなのだが。計画を立てるのは、自分への気休め、未来は分からないので、皆さんその時々を頑張ってください。
  2. コロナのパンデミックで海外旅行が出来なくなった、物流へのダメージで物が手に入りにくくなった、ロシアのウクライナ侵攻で、ロシアに旅行はいけなくなった等という事例、未来予測の不可能性。このため、行きたい所には行く、会いたい人には会う、食べたい物は食べる、買いたい物は買う、やりたいことはやっておこうねというお話。

    1990-2025年の宇宙開発及び関連社会イベントのまとめ(2005-2025の背景)

     1990-2025年の宇宙開発及び関連社会イベントのまとめ(2005-2025の背景)



    1.冷戦終結・ソ連崩壊(1991)からの宇宙技術協力(1990年代-2014年)

      クリミア危機(2014)、ウクライナ戦争(2022-)へ


     ・NASAの予算削減(GDP比0.5%以下)・計画見直し【宇宙開発は軍事に関連】
       ・宇宙ステーション「フリーダム」がISSとして計画統合(1993)
       ・National Aero-Space Plane(NASP/X-30)SSTO 計画中止(1993)
       ・DC-X Delta Clipper 計画中止(1995)
       ・X-33 Venture Star SSTO 計画中止(2001)
       ・X-38 ISS緊急脱出用クルーリターンビークル計画中止(2002)

     ・シャトル-ミール計画(1994-1998)
     ・宇宙ステーション「フリーダム」がISSとして計画統合(1993)
       ・ISS建設(1998-2011)
     ・ロケットエンジン技術の輸入
       ・AtlasV:RD-180(2002, Antares(NK-33(AJ26-58))(2013)
       ・K-1(NK-33 or NK-43) 
                 Rocketplane Kistler COTS採用, 倒産(リーマンショック)

     ・9.11以後の対テロ戦争、イラク、アフガニスタン(2001-2014 (2021))
       大国間の戦争想定から対テロ戦争への移行
      ・クリミア危機(2014)RD-180の代替手段の模索開始
      ・ウクライナ戦争(2022-)

    2.日本の宇宙輸送系・基幹ロケット系(1990-2025)

     ・純国産大型液体ロケットH-II 開発成功(1994)・H-II 8号機打ち上げ失敗(1999)
     ・J-I 固体ロケット開発成功(1996)
     ・世界最大の固体ロケットM-V 開発成功(1997)・M-V 4号機打ち上げ失敗(2000)

     ・HOPE-X(H-II Orbiting Plane Experimental)計画中止(2003)
     ・GXロケット開発中止、民主党事業仕分け(2009)
     ・ISS宇宙補給機HTV(こうのとり)、H-IIBロケット開発成功(2009)

     ・イプシロンロケット開発成功(2013)
     ・H3ロケット開発成功(2024)


    3.日本の有人宇宙飛行

     ・TBS 秋山豊寛 宇宙飛行士、宇宙ステーションミール滞在(1990)
     ・毛利衛 宇宙飛行士 スペースシャトル搭乗(1992)
     ・宇宙ステーション「フリーダム」がISSとして計画統合(1993)
      ・国際宇宙ステーションISS建設開始(1998)ー ISS最終建設完了(2011)
     ・スペースシャトル コロンビア空中分解(2003)
     ・ スペースシャトル退役決定(2004)
       ・ジョージ・W・ブッシュ、コンステレーション計画決定(2004)
     ・リーマンショック(2008)
     ・中国科学院、2030年に中国初の有人月探査発表(2009)
     ・バラク・オバマ、コンステレーション計画見直し(2010)
     ISS宇宙補給機HTV(こうのとり)、H-IIBロケット開発成功(2009)
     ・スペースシャトル退役(2011)
     ・NASA、アルテミス計画発表(2019)


    4.日本の社会的背景

     ・バブル崩壊(1991-1993)、日本の科学技術関連予算の大幅な増加なし

     ・日本の生産年齢人口(15-64歳)のピーク(1995)
     ・北朝鮮、テポドン弾道ミサイル発射(1998)

     ・ネット時代の到来(Windows95(1995)、携帯電話imode(1999)、ADSL(2001))
     ・日本の省庁再編、文部省、科学技術庁合併(2001)
     ・中国のWTO加盟(2001)日本の製造業、競争圧力を受け始める
     ・JAXA設立(NASDA, ISAS, NAL合併、2003)
     ・内閣官房、初の情報収集衛星(IGS)打上げ(2003)
     ・少子高齢化、日本の人口ピークから減少に転じる(2008)
     ・三菱航空機 MRJの開発開始(2008)
     ・リーマンショック(2008)
     ・iPhone3G 日本発売(2008)、HTC HT-03A 日本初のAndroidスマフォ発売(2009)
     ・日本の家電産業の世界シェア喪失(2000年代後半~2010年代前半)
       ・三洋電機、ハイアールへの売却(2011)
       ・シャープ、鴻海による買収(2016)

     ・中国が日本を抜き、世界第2位のGDPになる(2010)
     ・3.11東日本大震災、福島第一原発事故(2011)
     ・アベノミクス・大規模金融緩和開始(2013)
     ・働き方改革関連法案 施行(2018)
     ・コロナウイルスによるパンデミック(2020-2023)


    5.米国の民間宇宙開発

     ・冷戦終結・ソ連崩壊(1991)
     ・NASAの予算削減(GDP比0.5%以下)・計画見直し(1990-2000年代)
     ・SpaceX設立(2002), TRWがNGに買収(2002)技術者引き抜き
     ・Ansari Xprize、Space Ship One 成功(2004)
       高度100km以上の有人飛行を2週間以内に2回達成

     ・DARPAによる民間宇宙開発への資金流入(2000年代中盤以降, HTV Flacon関連予算)
     ・SpaceXがNASAのCOTSプログラムに選定される(民間宇宙輸送の拡大)(2006)

     ・リーマンショック(2008年9月15日)【歴史の転換点】
     ・SpaceX Falcon1 4号機の打ち上げ成功(2008年9月28日)【歴史の分岐点】

     ・Rocketplane Kistler、倒産(2010)(NASA, COTS計画候補社)
     ・SpaceX、Falcon9 開発成功(2010)
     ・SpaceX、Falcon9 第1段目の初着陸を成功(2016)
     ・SpaceX、Falcon Heavy開発成功(2017)
     ・SpaceX、Starlinkの打ち上げ開始(2019)
     ・SpaceX、有人宇宙飛行を成功(2020)
     ・SpaceX、Starship 初飛行(2023)


    6.歴史的転換点及び影響大

     ・SpaceXの台頭(Falcon1-fligh4以降)、リーマンショック(2008)
     ・新冷戦構造(アルテミス計画、ロシア技術の排除)
     
     ・SpaceX(民間宇宙開発、再使用)とリーマンショックが、かなりの影響大
     ・政府主導による戦略的なアルテミス計画の参画、独自宇宙開発路線の中止
      ・アルテミス計画の安全保障協力的側面
       ・米国の中国ロシアに対抗する、各国との連携
         ⇔ 冷戦後の国際協調の象徴としてのISS
       ・無駄な宇宙開発で中国経済を疲弊?(21世紀版SDI?)
        ・現状、月面には直ちにカネになる要素はない。
       ・長期的には、人類・国家の活動領域の拡大として意味は有。

     ・人口減少と失われた30年(1990-2020)



    7.一覧表

     → 2005年という時代の背景【1990-2025】(memo補足事項)

     ・冷戦終結・ソ連崩壊(1991)、NASAの予算削減(GDP比0.5%以下)・計画見直し
       ・宇宙ステーション「フリーダム」がISSとして計画統合(1993)
       ・National Aero-Space Plane(NASP/X-30)SSTO 計画中止(1993)
       ・DC-X Delta Clipper 計画中止(1995)
       ・X-33 Venture Star SSTO 計画中止(2001)
       ・X-38 ISS緊急脱出用クルーリターンビークル計画中止(2002)

     ・連戦終結・米露宇宙協力から、2014年クリミア危機へ
       ・シャトル-ミール計画(1994-1998)
       ・宇宙ステーション「フリーダム」がISSとして計画統合(1993)
        ・ISS建設(1998-2011)
       ・ロケットエンジン技術の輸入
         ・AtlasV:RD-180(2002, Antares(NK-33(AJ26-58))(2013)
         ・K-1(NK-33 or NK-43) 
                    Rocketplane Kistler COTS採用, 倒産(リーマンショック)
       ・クリミア危機(2014)RD-180の代替手段の模索開始
       ・ウクライナ戦争(2022-)


     ・TBS 秋山豊寛 宇宙飛行士、宇宙ステーションミール滞在(1990)
     ・バブル崩壊(1991-1993)、日本の科学技術関連予算の大幅な増加なし
     ・毛利衛 宇宙飛行士 スペースシャトル搭乗(1992)
     ・宇宙ステーション「フリーダム」がISSとして計画統合(1993)

     ・日本の生産年齢人口(15-64歳)のピーク(1995)

     ・純国産大型液体ロケットH-II 開発成功(1994)・H-II 8号機打ち上げ失敗(1999)
     ・J-I 固体ロケット開発成功(1996)
     ・世界最大の固体ロケットM-V 開発成功(1997)・M-V 4号機打ち上げ失敗(2000)
     ・HOPE-X(H-II Orbiting Plane Experimental)計画中止(2003)
     ・国際宇宙ステーションISS建設開始(1998)ー ISS最終建設完了(2011)

     ・ネット時代の到来(Windows95(1995)、携帯電話imode(1999)、ADSL(2001))
     ・北朝鮮、テポドン弾道ミサイル発射(1998)

     ・9.11以後の対テロ戦争、イラク、アフガニスタン(2001-2014 (2021))
       大国間の戦争想定から対テロ戦争への移行

     ・F-2支援戦闘機 運用開始(2000)
     ・H-IIAロケット開発成功(2001)
     ・日本の省庁再編、文部省、科学技術庁合併(2001)
     ・中国のWTO加盟(2001)日本の製造業、競争圧力を受け始める

     ・SpaceX設立(2002)
      ・TRWがNGに買収(2002)、技術者引き抜き
     ・RD-180を搭載したAtlasV開発成功(2002)
     ・JAXA設立(NASDA, ISAS, NAL合併、2003)
     ・中国独自の有人宇宙飛行の成功, 神舟5号(2003)
     ・スペースシャトル コロンビア空中分解(2003)
     ・小惑星探査機はやぶさ(MUSES-C)打上げ(2003)
     ・内閣官房、初の情報収集衛星(IGS)打上げ(2003)
     ・Ansari Xprize
      ・Space Ship One、高度100km以上の有人飛行を2週間以内に2回達成(2004)
     ・京都議定書発効(2005)
     ・DARPAによる民間宇宙開発への資金流入(2000年代中盤以降, HTV Flacon関連予算)
     ・SpaceXがNASAのCOTSプログラムに選定される(民間宇宙輸送の拡大)(2006)
     ・Twitter社設立(2006)
     ・JAXAが月探査機「SELENE」を打ち上げ(2007)
     ・中国、ASATによる衛星破壊実験を実施(2007)
     ・米国、イージス艦とSM-3ミサイルにより、制御不能衛星USA-193を迎撃破壊(2008)
     ・SpaceX Falcon1の打ち上げ成功(2008)
     ・少子高齢化、日本の人口ピークから減少に転じる(2008)
     ・三菱航空機 MRJの開発開始(2008)
     ・リーマンショック(2008)
     ・GXロケット開発中止、民主党事業仕分け(2009)
     ・ISS宇宙補給機HTV(こうのとり)、H-IIBロケット開発成功(2009)
     ・中国科学院、2030年に中国初の有人月探査実施する計画発表(2009)

     ・iPhone3G 日本発売(2008)、HTC HT-03A 日本初のAndroidスマフォ発売(2009)
     ・P2Pベースの仮想通貨、ビットコインの誕生(2009)
     ・日本の家電産業の世界シェア喪失(2000年代後半~2010年代前半)
       ・三洋電機、ハイアールへの売却(2011)
       ・シャープ、鴻海による買収(2016)

     ・米国の軍事用無人スペースシャトルX-37 初飛行(2010)
     ・SpaceX、Falcon9 開発成功(2010)
     ・中国が日本を抜き、世界第2位のGDPになる(2010)
     
     ・3.11東日本大震災、福島第一原発事故(2011)
     ・コンステレーション計画後継として、NASAのSLSプログラムが承認される(2011)
     ・スペースシャトル退役(2011)
     ・SpaceXがISS補給ミッションに成功(2011)
     
     ・3Dプリンター技術が日本で話題になる(2012)
     ・NK-33(AJ26-58)を搭載したAntares開発成功(2013)
     ・アベノミクス・大規模金融緩和開始(2013)
     ・イプシロンロケット開発成功(2013)
     ・中国、静止衛星軌道付近で高高度衛星迎撃実験を実施(2013)
     ・クリミア危機(2014)、米国の宇宙戦略の転換、RD-180の代替手段の模索
     
     ・OpenAI設立(2015)
     ・AlphaGoが人間の囲碁プロを初めて破る(2016)
     ・SpaceX、Falcon9 第1段目の初着陸を成功(2016)
     ・トランプ大統領就任、新冷戦開始(2017-)
     ・SpaceX、Falcon Heavy開発成功(2017)
     ・働き方改革関連法案 施行(2018)
     ・NASA、アルテミス計画発表(2019)
     ・SpaceX、Starlinkの打ち上げ開始(2019)

     ・コロナウイルスによるパンデミック(2020-2023)
     ・SpaceX、有人宇宙飛行を成功(2020)
     ・ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 打ち上げ成功(2021)

     ・ウクライナ戦争(2022-)
     ・OpenAIがChatGPTを一般公開(2022)
     ・画像生成AI, MidJourney, Stable Diffusionが公開(2022)
     ・イーロンマスク、Twitter買収(2022)
     ・NASA, SLSロケット開発成功(2022)
     ・中国、天宮宇宙ステーションの完全運用開始(2022)
     ・生成AIの爆発的普及、企業での応用が急速に広がる(2023)
     ・SpaceX、Starship 初飛行(2023)
     ・H3ロケット開発成功(2024)






    2025年1月3日金曜日

    JAXA2025 JAXA長期ビジョン概要(スライド)の要約とmemo

     JAXA2025 JAXA長期ビジョン概要(スライド)の要約とmemo



    資料1要約:JAXA長期ビジョン概要(スライド)


    1p:位置付け
    • JAXA独自に検討したもの。(文科省の茶々は入ってない?)
    • 望ましい姿の方向性について提案。現場サイドから。
    • 議論のきっかけ。国家戦略、政策にも反映されてほしい。

    2p:現状認識
    • 基盤技術、安全保障として航空宇宙技術は重要。
    • YS-11以来、40年間独自の民間旅客機開発は着手されていない (この後、MRJ開始、計画中止)
    • JAXAとしても確固たる長期ビジョンと戦略が必要。重要な国家戦略が必要。




    3p, 4p, 5p:基本理念・JAXA長期ビジョン
    • 世界最高の信頼性と競争力を持つ宇宙技術(ロケット・人工衛星)の開発
    • トップサイエンスと、独自の有人宇宙活動の推進・月利用の準備を進める
    • 超音速技術(マッハ5)を活用した実験機の実証
    • 宇宙航空産業の基幹産業化(国際競争力強化)

    6p:安全で豊かな社会の実現
    • 10年後:危機管理システム、環境監視システムの基本部分の実現
    • 20年後:危機管理システムのアジア太平洋地域の展開、日常的ツールとしての確立

     → 人工衛星による災害や地球環境の監視
       3.11時の陸域観測技術衛星だいち(2006~2011年))



    7p:安全で豊かな社会の実現


    • 測位衛星群 → みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)
    • 超大型移動体通信衛星、超高速通信衛星:超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」  現在:静止衛星からのStarlinkの台頭
    • 地球観測衛星群
    • 災害予測、避難指示、家族位置情報等、直接個人携帯にサービス提供(基地局経由)

     → 北朝鮮、テポドン弾道ミサイル発射(1998
     → 内閣官房、情報収集衛星(IGS)打上げを実施(2003-)
     → 2008年成立「宇宙基本法」に基づき、宇宙開発が安全保障・産業振興に直結
       国家戦略として推進。

     → 高速インターネット網(光ケーブル、5G)の整備と一般へのスマフォの普及
     → 静止軌道の通信衛星による衛星放送が、地上・海底に施設された光ケーブルによる
       ネット配信に敗れる(2010年代)
       → 既存の携帯キャリアへの脅威となるか(2030年代?)

     → 通信衛星、静止衛星から低軌道コンステレーションへのトレンド変化


    9p, 10p:宇宙科学活動、月利用等

    宇宙科学分野
    • 10年後:軌道上望遠鏡の全波長域への展開、月、金星、水星の探査
    • 20年後:最初の星や最初のブラックホールの観測、重力波検出ミッション、太陽系外の地球型惑星の直接観測、木星型惑星や小惑星の探査
    • 20年以降:「深宇宙港構想」の実現へ

     → 赤外線天文衛星 (SPICA)中止
     → X線天文衛星ひとみ制御不能、X線分光撮像衛星XRISM打上げ

     → はやぶさ/はやぶさ2の成功(2010/2020)、深宇宙の動力航行時代へ
     → 金星(PLANET-C あかつき)、火星(MMX)の探査
     → 木星以遠は、米国のみが実施



    月探査・利用
    • 10年後:月周回衛星(SELENE)等月探査、月の可能性の探査、将来の先端技術開発
    • 20年後:国際計画における国際的貢献・役割分担、長期滞在を可能にするための技術開発


     → SELENE以降、月探査はしばらく続かず

     → OMOTENASHI 通信途絶(2022)(アルテミス計画 SLS随伴)
     → 民間月面着陸機 HAKUTO-R mission1(2023)
     → 小型月着陸実証機 SLIM(2024) 



    12p, 13p, 14p:宇宙輸送システム、有人宇宙活動

    宇宙輸送システム
    • 基幹ロケットによる打上げ能力の維持・発展
    • 宇宙ステーションへの無人補給機(HTV)の継続的な運用と応用・発展(例えば軌道間輸送機、無人回収機への発展) 
    • 5年後:H-IIAロケットを中心とする基幹ロケットの信頼性向上と関連技術の繰返し運用実証。HTVの運用。 
    • 10年後:人が乗れるほどの信頼性のあるロケットの実現。HTVを発展させた軌道間輸送機と無人回収機の開発。 再使用型実験機による無人サブオービタル飛行経験の蓄積。
    • 20年後:使い切りロケット打上げによる有人輸送帰還機の実現と有人再使用型輸送機の開発着手。
    • 10年後頃までに、独自の有人輸送機開発への展開の是非に関して国の判断を仰ぐ

     → LE-8(Metalox)を搭載したGXロケット開発中止(2009) 
      【民主党事業仕分け、リーマンショック】

     → ISS宇宙補給機HTV(こうのとり)、H-IIBロケット開発成功(2009)

     → M-V廃止(2006)、イプシロンロケット開発成功(2013)

     → エキスパンダーブリードサイクル LE-9を搭載したH3ロケットの開発成功(2024)
       ・コスト低減、信頼性向上(有人宇宙計画対応の延長)

     → H-IIA, H-IIB 順次運用終了(日本国内の2段燃焼エンジンの生産停止)
       
     → 他国の2段燃焼エンジンの勃興
        ・SpaceX Raptor(米国)
        ・Blue origin BE-4, BE-3(米国)
        ・YF-100、Metalox200t推力FFSCC, YF-115(中国)
        ・RD-191, RD-193(RD-170系統) (ロシア)

     → SpaceX(Falcon9)の台頭、1段再使用飛行実験(CALLISTO)プロジェクト
     → H3後継の次期基幹ロケット開発着手(2030年代)、LH2/LOXからMetaloxへ?

     → 民間宇宙開発:カイロスロケット(S1, 固体, Metalox), ZERO(IST, Metalox)

     → Metalox式のLE-8を開発してたIHIが各社に技術を提供している構図
       ・S1:Metalox上段、固体ロケットモータ(IA)
       ・IST:Metaloxターボポンプ技術
       ・スペースウォーカー:Metaloxエンジン購入



    有人宇宙活動
    • 10年後:国際宇宙ステーション(ISS)計画参加を最大限に活かした重要技術の獲得及び宇宙実証
    • 20年後:次期国際有人宇宙計画への参加等を通じ、独自の有人滞在・活動を可能とする技術の確立をめざす
    • 10年後頃までに、ISS計画以降の次期有人宇宙活動への展開に関して国の判断を仰ぐ
     → 日本独自の有人宇宙開発ではなく、アルテミス計画への参加





     → スペースシャトル コロンビア空中分解事故(2003)
       スペースシャトル退役決定(2004)、スペースシャトル退役(2011年)

       → ジョージ・W・ブッシュ、コンステレーション計画決定(2004)
       ・シャトル退役後、AresI, AresV, Orion宇宙船(月面探査)、更に火星探査へ
        【宇宙兄弟(2008-)の世界線】

     → バラク・オバマ、計画見直し(2010), リーマンショック
       ・低軌道有人飛行、ISS輸送を民間に丸投げ契約。
       ・COTS(Commercial Orbital Transportation Services)
         ・SpaceX
         ・Orbital Sciences(現NG)(Cygnus、Antaresロケット)
         ・Rocketplane Kistler(リーマンショック後に潰れる)

       ・シャトル後の商業乗員輸送計画(CCP: Commercial Crew Program)につながる
         ・SpaceX Crew Dragon, Falcon9
         ・Boeing Starliner, AtlasV / Vulcan
         ・シャトル退役、ソユーズのみのISSアクセス時代、ウクライナ戦争(2022-)


     → ISS日本実験棟「きぼう」運用開始(2008)
     → ISS宇宙補給機HTV(こうのとり)、H-IIBロケット初飛行(2009)


    15p:宇宙産業の成長への貢献
    • 実利用に直接寄与する基幹技術の研究開発と実証、システム提案
    • 新規利用サービスの創出による宇宙利用サービス産業の拡大を促す
    • 中小、ベンチャー企業による宇宙開発参加の促進
     → 民間宇宙開発の勃興(SpaceX、Rocketlab等)

     → SpaceXかSpaceX以外かの世界の到来(世界全体ロケット打上げの約48%
       ・2023年の世界全体のロケット打ち上げ回数は207回。(内SpaceXは96回)
       ・ロケット・衛星の自社製造設計の垂直統合、利益をパッケージ化。
       ・利益が出るStarlink。安全保障、既存の通信会社のパイを食えるネットインフラ。

     



    16p:空産業の成長への貢献と将来航空輸送のブレークスルー
      • 航空機製造産業が日本の基幹産業となることをめざす
      • マッハ5クラスの極超音速実験機で、太平洋を2時間で横断できる極超音速機の技術を実証
      • 国産ブランド旅客機の開発による国際競争力の獲得、優位技術による国際共同開発
      • 超音速/極超音速機技術の研究開発 静粛機体設計、低公害高速推進システム、耐熱複合材構造等
      • 5年後:第1世代の国産旅客機開発、先進的機体設計、高速推進システムの研究開発 
      • 10年後:低騒音、低燃費、安全性向上 「人に優しい旅客機(第2世代)」開発、マッハ2クラスの超音速機技術を実用化レベル成熟
      • 20年後:IT飛行技術を駆使した「インテリジェント航空機(第3世代)」の実現の技術開発、液体水素を燃料とする、炭酸ガスを排出しない マッハ5クラスの無人極超音速実証機の飛行実証

       → MRJ開発中止、S-520-RD-1の飛行

       → 2020年パンデミックからの、オンライン会議の普及(極超音速機のコスパは?)
         ビジネス需要減少、最後に残るのは観光、高くても早く到着したい需要とは?
         極超音速機のライバルは、IT技術では?

       → 極超音速飛行による人員輸送や物資輸送は、現状凄いコストがかかるが、高コストを
         ペイ出来る高価値とは?最後に残るのは、医療(移植等も含む人命救助)、防衛用途。

       → グリーンエコノミーの台頭、CO2排出の抑制



      19p:長期ビジョン全体ロードマップ

      2025年1月1日水曜日

      JAXA2025を振り返る

      JAXA2025を振り返る





      1.JAXA長期ビジョンについて(平成17年4月6日 宇宙航空研究開発機構)

        資料1:JAXA長期ビジョン概要(スライド)

        資料2:JAXA長期ビジョン

        資料3:参考資料集

        資料4:将来の宇宙輸送(イメージ)(資料1, p14)


        資料5:長期ビジョン全体ロードマップ(資料1, p19)


        資料7:サイエンスウェブ, 2006 March Vol.2 No.3 

            特別レポート JAXA2025 日本の有人宇宙飛行構想




        資料8:JAXA_Detailed_Vision_Slides(AI要約資料)


      2.Amazon(書籍)


      3.我が国の有人探査に関する考え方について(文科省)

        資料9:我が国の有人探査に関する考え方について


        資料10:国際宇宙探査の取組について


      4.関連資料

        資料11:JAXA 予算関連(予算推移、プロジェクト関連)


        資料12:第5期科学技術基本計画レビューとりまとめ(案)






      It is a best of times, it is a worst of times. In the year 2025...

      雑記:EPIC2014