JAXA2025 JAXA長期ビジョン概要(スライド)の要約とmemo
資料1要約:JAXA長期ビジョン概要(スライド)
1p:位置付け
- JAXA独自に検討したもの。(文科省の茶々は入ってない?)
- 望ましい姿の方向性について提案。現場サイドから。
- 議論のきっかけ。国家戦略、政策にも反映されてほしい。
2p:現状認識
- 基盤技術、安全保障として航空宇宙技術は重要。
- YS-11以来、40年間独自の民間旅客機開発は着手されていない (この後、MRJ開始、計画中止)
- JAXAとしても確固たる長期ビジョンと戦略が必要。重要な国家戦略が必要。
3p, 4p, 5p:基本理念・JAXA長期ビジョン
- 世界最高の信頼性と競争力を持つ宇宙技術(ロケット・人工衛星)の開発
- トップサイエンスと、独自の有人宇宙活動の推進・月利用の準備を進める
- 超音速技術(マッハ5)を活用した実験機の実証
- 宇宙航空産業の基幹産業化(国際競争力強化)
6p:安全で豊かな社会の実現
- 10年後:危機管理システム、環境監視システムの基本部分の実現
- 20年後:危機管理システムのアジア太平洋地域の展開、日常的ツールとしての確立
→ 人工衛星による災害や地球環境の監視
3.11時の陸域観測技術衛星だいち(2006~2011年))
7p:安全で豊かな社会の実現
- 測位衛星群 → みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)
- 超大型移動体通信衛星、超高速通信衛星:超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」 現在:静止衛星からのStarlinkの台頭
- 地球観測衛星群
- 災害予測、避難指示、家族位置情報等、直接個人携帯にサービス提供(基地局経由)
→ 北朝鮮、テポドン弾道ミサイル発射(1998)
→ 内閣官房、情報収集衛星(IGS)打上げを実施(2003-)
→ 2008年成立「宇宙基本法」に基づき、宇宙開発が安全保障・産業振興に直結
国家戦略として推進。
→ 高速インターネット網(光ケーブル、5G)の整備と一般へのスマフォの普及
→ 静止軌道の通信衛星による衛星放送が、地上・海底に施設された光ケーブルによる
ネット配信に敗れる(2010年代)
→ 既存の携帯キャリアへの脅威となるか(2030年代?)
→ 通信衛星、静止衛星から低軌道コンステレーションへのトレンド変化
9p, 10p:宇宙科学活動、月利用等
宇宙科学分野
- 10年後:軌道上望遠鏡の全波長域への展開、月、金星、水星の探査
- 20年後:最初の星や最初のブラックホールの観測、重力波検出ミッション、太陽系外の地球型惑星の直接観測、木星型惑星や小惑星の探査
- 20年以降:「深宇宙港構想」の実現へ
→ 赤外線天文衛星 (SPICA)中止
→ X線天文衛星ひとみ制御不能、X線分光撮像衛星XRISM打上げ
→ 金星(PLANET-C あかつき)、火星(MMX)の探査
→ 木星以遠は、米国のみが実施
月探査・利用
- 10年後:月周回衛星(SELENE)等月探査、月の可能性の探査、将来の先端技術開発
- 20年後:国際計画における国際的貢献・役割分担、長期滞在を可能にするための技術開発
→ SELENE以降、月探査はしばらく続かず
→ OMOTENASHI 通信途絶(2022)(アルテミス計画 SLS随伴)
→ 民間月面着陸機 HAKUTO-R mission1(2023)
→ 小型月着陸実証機 SLIM(2024)
12p, 13p, 14p:宇宙輸送システム、有人宇宙活動
宇宙輸送システム
- 基幹ロケットによる打上げ能力の維持・発展
- 宇宙ステーションへの無人補給機(HTV)の継続的な運用と応用・発展(例えば軌道間輸送機、無人回収機への発展)
- 5年後:H-IIAロケットを中心とする基幹ロケットの信頼性向上と関連技術の繰返し運用実証。HTVの運用。
- 10年後:人が乗れるほどの信頼性のあるロケットの実現。HTVを発展させた軌道間輸送機と無人回収機の開発。 再使用型実験機による無人サブオービタル飛行経験の蓄積。
- 20年後:使い切りロケット打上げによる有人輸送帰還機の実現と有人再使用型輸送機の開発着手。
- 10年後頃までに、独自の有人輸送機開発への展開の是非に関して国の判断を仰ぐ
→ LE-8(Metalox)を搭載したGXロケット開発中止(2009)
【民主党事業仕分け、リーマンショック】
→ ISS宇宙補給機HTV(こうのとり)、H-IIBロケット開発成功(2009)
→ M-V廃止(2006)、イプシロンロケット開発成功(2013)
→ エキスパンダーブリードサイクル LE-9を搭載したH3ロケットの開発成功(2024)
・コスト低減、信頼性向上(有人宇宙計画対応の延長)
→ H-IIA, H-IIB 順次運用終了(日本国内の2段燃焼エンジンの生産停止)
→ 他国の2段燃焼エンジンの勃興
・SpaceX Raptor(米国)
・Blue origin BE-4, BE-3(米国)
・YF-100、Metalox200t推力FFSCC, YF-115(中国)
・RD-191, RD-193(RD-170系統) (ロシア)
→ SpaceX(Falcon9)の台頭、1段再使用飛行実験(CALLISTO)プロジェクト
→ H3後継の次期基幹ロケット開発着手(2030年代)、LH2/LOXからMetaloxへ?
→ 民間宇宙開発:カイロスロケット(S1, 固体, Metalox), ZERO(IST, Metalox)
→ Metalox式のLE-8を開発してたIHIが各社に技術を提供している構図
・S1:Metalox上段、固体ロケットモータ(IA)
・IST:Metaloxターボポンプ技術
・スペースウォーカー:Metaloxエンジン購入
有人宇宙活動
- 10年後:国際宇宙ステーション(ISS)計画参加を最大限に活かした重要技術の獲得及び宇宙実証
- 20年後:次期国際有人宇宙計画への参加等を通じ、独自の有人滞在・活動を可能とする技術の確立をめざす
- 10年後頃までに、ISS計画以降の次期有人宇宙活動への展開に関して国の判断を仰ぐ
→ 日本独自の有人宇宙開発ではなく、アルテミス計画への参加
→ スペースシャトル コロンビア空中分解事故(2003)
スペースシャトル退役決定(2004)、スペースシャトル退役(2011年)
→ ジョージ・W・ブッシュ、コンステレーション計画決定(2004)
・シャトル退役後、AresI, AresV, Orion宇宙船(月面探査)、更に火星探査へ
【宇宙兄弟(2008-)の世界線】
→ バラク・オバマ、計画見直し(2010), リーマンショック
・低軌道有人飛行、ISS輸送を民間に丸投げ契約。
・COTS(Commercial Orbital Transportation Services)
・SpaceX
・Orbital Sciences(現NG)(Cygnus、Antaresロケット)
・Rocketplane Kistler(リーマンショック後に潰れる)
・シャトル後の商業乗員輸送計画(CCP: Commercial Crew Program)につながる
・SpaceX Crew Dragon, Falcon9
・Boeing Starliner, AtlasV / Vulcan
・シャトル退役、ソユーズのみのISSアクセス時代、ウクライナ戦争(2022-)
→ ISS日本実験棟「きぼう」運用開始(2008)
→ ISS宇宙補給機HTV(こうのとり)、H-IIBロケット初飛行(2009)
15p:宇宙産業の成長への貢献
- 実利用に直接寄与する基幹技術の研究開発と実証、システム提案
- 新規利用サービスの創出による宇宙利用サービス産業の拡大を促す
- 中小、ベンチャー企業による宇宙開発参加の促進
→ 民間宇宙開発の勃興(SpaceX、Rocketlab等)
→ SpaceXかSpaceX以外かの世界の到来(世界全体ロケット打上げの約48%)
・2023年の世界全体のロケット打ち上げ回数は207回。(内SpaceXは96回)
・ロケット・衛星の自社製造設計の垂直統合、利益をパッケージ化。
・利益が出るStarlink。安全保障、既存の通信会社のパイを食えるネットインフラ。
16p:空産業の成長への貢献と将来航空輸送のブレークスルー
- 航空機製造産業が日本の基幹産業となることをめざす
- マッハ5クラスの極超音速実験機で、太平洋を2時間で横断できる極超音速機の技術を実証
- 国産ブランド旅客機の開発による国際競争力の獲得、優位技術による国際共同開発
- 超音速/極超音速機技術の研究開発 静粛機体設計、低公害高速推進システム、耐熱複合材構造等
- 5年後:第1世代の国産旅客機開発、先進的機体設計、高速推進システムの研究開発
- 10年後:低騒音、低燃費、安全性向上 「人に優しい旅客機(第2世代)」開発、マッハ2クラスの超音速機技術を実用化レベル成熟
- 20年後:IT飛行技術を駆使した「インテリジェント航空機(第3世代)」の実現の技術開発、液体水素を燃料とする、炭酸ガスを排出しない マッハ5クラスの無人極超音速実証機の飛行実証
→ MRJ開発中止、S-520-RD-1の飛行
→ 2020年パンデミックからの、オンライン会議の普及(極超音速機のコスパは?)
ビジネス需要減少、最後に残るのは観光、高くても早く到着したい需要とは?
極超音速機のライバルは、IT技術では?
→ 極超音速飛行による人員輸送や物資輸送は、現状凄いコストがかかるが、高コストを
ペイ出来る高価値とは?最後に残るのは、医療(移植等も含む人命救助)、防衛用途。
→ グリーンエコノミーの台頭、CO2排出の抑制
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