2020年12月30日水曜日

Aerospace Engine Review Vol.10 SpaceX Merlin Engines, SpaceXのロケットエンジン本の執筆状況

Aerospace Engine Review Vol.10 SpaceX Merlin Engines, SpaceXのロケットエンジン本の執筆状況





SpaceXのロケットエンジンに関する同人誌(SpaceXのロケットエンジン本)の発行を目指して、数年前から、執筆中である。本記事では、執筆の進捗状況等をまとめる。


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当初、2020年12月に発行予定でしたが、コロナの影響、執筆状況の停滞等で、執筆活動は更に先に延びそうです。また、そもそも執筆対象のSpaceXの開発速度が速く、執筆が停滞してたら、ゴールポストが先へ先へと移動し、盛り込む内容が更に増えるのではないか…という状況です。調べれば、調べるだけ、調べることが出て来て、更に調べるという感じになっています。


「スカッドのロケットエンジン本で、この本は10年情報が色あせない、あと10年戦える」と書きましたが、実際10年戦えると思いますので、そちらで当分の間、我慢して頂ければと思います。久しぶりに、改めて自分の書いた同人誌を1、2ページ読んでみましたが、気が狂ってるぐらい詳しかった…(自画自賛)今回は、気長に書いて行きたいと思っています。また、本Blogでは、2年前より、ちょくちょくSpaceXの関連情報を掲載していますので、そちらを確認して頂ければと思います。


SpaceXのロケットエンジンについては、完全民間主導の自社開発のため、出てくる情報が少なく、推定に推定を重ねた妄想本になりそうな気がしています。しかし、TRWからのロケットエンジン開発の資料から、手掛かりを得たいと考えています。そういう訳で、本の内容は、TRW時代からの技術説明となっており、アポロ計画~現代まで内包するため、収拾がつかない感じになってきてるかもしれません。目標としては、35万字位の内容量となりそうです。(上下巻になるかもしれない)標準的なエンジン設計教科書とSpaceXの技術動向を融合した2020年代の幕開けに相応しいヤバイ本を書き上げたい…(なお、いつ出来るとは言っていない)



 

冷戦最中に出版された書籍の想像図。情報公開が少ないと、この様な妄想本となる。



年々皆が求める知識レベルは上がってるから、本1冊書くにしても、執筆毎に自分の理解限界を超えてくクオリティに仕上げないと手にとって貰えない訳です。情報なんてネット検索すれば色々出てくるのだから。それに最初から自分が知ってる範囲だけで本を書くなんて、そんなの面白くないじゃないですか… しかし、SpaceXのロケットエンジン本を書くにあたり、かなり広範囲に深くペーパーをサルベージしないといけないから、狂いそう(半ギレ)少なくとも2000ページは、英語を読まなくてはいけない…


調べれば調べるほど、奥深いSpaceX。SpaceXのチートさを日本で例えるならば、孫正義がIHI Aerospaceのロケット部門の部長級及び部下を引き抜き、ベンチャーを立ち上げ、M-Vの技術を転用してロケット開発、顧問として糸川博士もバックアップしてるチート状態です。
(⇒ イーロンマスクがTRW技術者を引き抜き、月着陸船エンジン開発者がバックアップ)





本を書くべきなのに、書かれない風潮への愚痴


以下は、一連の執筆をしてて愚痴を思う事があり、徒然と駄文をブツ切れに書き連ねる。

  • この世の中には、もっと沢山の面白い本が溢れるべきだと思う。しかし、本を書くという行為は皆面倒でやらないのだろう。何故、私が本を書くかというと、存在しないから自分で書くだけであって、本来もっと執筆すべき適任者(引退した当該分野の技術者等)が居るはずである。そういう人達を見つけたら、「あなた、もう本を読む年齢でも無いでしょう、そろそろ書く側に回る年齢では無いですか?」という煽りまくって、本を書かせて下さい。

  • 「生涯学習」という言葉がある。しかし、この言葉は、一方通行っぽくて、あまり好きではない。確かに人間常に勉強は必要なのだが、アウトプットが必要である。そんなことを考えている中、こんなニュース(図書館が「老人の館」に!トラブル続発で逆ギレ、怒号も)を最近みかけました。ご老人の方々は晩年、本でも執筆して、今まで得た知識と経験を社会に還元してほしい。アウトプットがない読書は、映画やTV等の娯楽を楽しんでるのとあまり変わらない。特に、年金生活で上がりを決め込んでる御老人には、言いたい。長く生きて来たのだから、多大な経験と知識がお持ちでしょう。図書館で暇潰すだけでなく、本でも執筆して、未来の日本のために、世間や若者に自身の知見を広めては如何でしょうか。

  • 以前は、あるプロジェクトの資料が情報公開されたら、詳しい書籍が出ると勘違いしていた。例えばアポロ計画が終わり資料を公開されても、昔は膨大な資料を物理的に入手出来ない。せいぜい数~十数の資料が手に入れば良い方で、少ない資料を基に本を書く。これでは、書かれる書籍が詳しくなり様もない。ではネットで電子資料がNASAのサーバー経由で膨大に公開され誰でも入手出来る今現在なら、詳しい書籍が出せるか?それも違う。情報を全部把握し考察、まとめて出版できる「能力のあり、やる気もある人間」が居るのか?商業的にペイ出来るか?そう考えると、詳しい公開資料が出ても、詳しい書籍は出るのは稀である。膨大な資料をまとめれる人間がほとんど居らず、商業的に人力でペイ出来ないなら、話題のAI等が進化すれば、まとめた書籍が将来的に出るのではないかという予測もあるだろう。しかし例え資料が自動的にまとめることができたとしても、その記述内容が本当に正しいかどうかを判断出来る人間が居なければ、出来上がった物は世に出せない。情報化社会となり、簡単に「最高の材料」は手に入るのに、それを調理する「料理人」不在のために、腐らせることはあるのではないか。

  • 大量の詳細資料が倉庫に散逸してても、興味が無い人から見ればゴミ。最後には、大掃除で捨てられる。電子情報が大量に保存されてても、理解できなければゴミデータ。最後には、全部削除される。資料同士の点と点を線に起こし、意味を説明し、料理した形でしか後世には残らない。散逸した書類は捨てられる。散逸したデータも捨てられる。しかし本は残る。何故なら、本という体裁をなして、まとまっていれば価値があるからだ。まとまっていれば、他の人が見ても理解ができる。本を売ることはあっても、捨てる人間はほとんど居ない。

  • 昔なら、自分の著作でなくとも、英語が得意で知見がある人が、外国の有名著作を一から日本人向けに日本語翻訳し、様々な分野で日本語の専門書を読むことができた。しかし、今やそんな世の中ではなくなってしまった。「学びたいなら、己の能力を使って学べ」という考え方が蔓延り、「自分の能力は自分の利益ために使う」時代が到来している。

  • 本を書ける能力がある人間、あるいは本を書くべきプロジェクトの当事者は、ノブレスオブリージュを果たし、本を書くべきである。これは、どの分野に居る人間にも言えることである。その道の第一線で活躍している人達は、その力を自分のためだけに使うのではなく、後輩育成のために、優れた書籍を執筆して下さい。それが社会を良くすると思います。


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