2018年5月7日月曜日

ロケットエンジン工学の教科書 オススメベスト6

ロケットエンジン工学の教科書 オススメベスト6





世の中に色々な教科書が出回っている。今回は、orbit seals管理人が独断と偏見で判断する、日本語で書かれたロケット工学の教科書、ベスト6を紹介する。

なお、選出するに当たって以下の条件を付けた。

・1990年代以降に出版された書籍
・ロケットエンジンについて、解説してる書籍のランキング
・エンジン以外の加点として、システム全般及び液体燃料ロケットについて書かれている書籍


古い教科書でも良い物も沢山あるが、比較的新しいものでも、絶版につぐ絶版を重ねているので、1990年代以降の物に限らせて頂く。ランキングを作ったら、1位:絶版、2位:絶版、3位:絶版・・・全て絶版、入手できませんということになりかねない。

一部要素に尖った本(ポンプ等)もあるが、総合的に解説してる物にランキングを付けている。書籍の内容はロケットシステム全般及び液体燃料ロケットを対象想定しているが、固体燃料ロケットのみとかだと、ロケット燃焼工学(久保田浪之介, 1995) なんかもあるが、これも絶版。






第6位:宇宙ロケット工学入門, 宮澤政文著, 2016





今手に入る教科書で、入門書として勧めるならこれ。ロケットの知識を、数式をあまり使わずに平たく解説している。高校生レベルの物理と数学の知識があれば読めると思われる。






第5位:ロケットシステム, 田辺英二著, 1999




三菱重工で、宇宙ロケット開発に関わっていた技術者の田辺氏が書いた、ロケットシステムの本。分かりやすく全般を説明しており、見やすく記述されている。自費出版のため絶版・入手不可。(そもそも市場に流れたかが怪しい)






第4位 Aerospace Engine Review Vol.7 OKB-2 Scud Engines, 推進器研究会, 2015






巷では、「スカッド本」なる名称でささやかれている青い本。冷戦後に流失したロシアのスカッドミサイルのロケットエンジン図面を基に開発史から、具体的に実際の部品系統等全て解説した、具体的なロケットエンジンのシステム統合教科書。エンジンを中心に、ロケット構成要素との関連を具体的に解説している。情報量が多すぎて、1ページ読むのに相当に時間がかかるのが難点。部品構造単位で、どう機能しているのか具体的な情報を満載しており、日本のDIYロケッティアに、ここ10年で最も衝撃を与える1冊である(2005-2015)。下町ロケットにブチ切れた、バルブシステムガチ勢も納得の1冊。
まだ絶版にはなっていない模様







第3位:ロケットエンジン, 鈴木 弘一著, 2004






入門書~中級編としてオススメ。一通りの知識と数式が書かれている。(実際に、大学で使用されているのだろうか?)実際にドリル形式で計算問題が出題されているので、独学等でとっかかりの良い教科書として良書である。気軽に入手できる事もポイントが高い。他の本が、絶版につぐ絶版を経ている中で、15年近く経っても生き残っている。







第2位:Rocket Propulsion Elements, George P. Sutton 著  (ロケット推進工学)






日本語版は、絶版。言わずと知れた名著。これ一冊で、ロケットの事が大半は分かるし、数式も追える。全世界で使用されている教科書。英語版の最新版は、9th Edition。Kindleでも入手可能。糸川英夫先生の下でロケットを開発した秋葉鐐二郎先生も、最初はこの教科書だった模様。改定を続けて、全世界で読まれている。

日本でも、「ロケット推進工学」という名前で、1995年9月に山海堂から翻訳版が出版されていたが、出版社が倒産してしまいましたので、絶版状態です。ヤードポンド法を単位換算してくれてたのに…









第1位:ロケット工学, 木村 逸郎 (著), 1994

第1位は、これも残念ながら、絶版なのですが、木村先生の本です。602pに及ぶ大著。これ一冊で、ロケットエンジンの設計が可能なレベル。日本語で書かれた、ロケット教科書の最高峰。(実際にW大は、これによって自作ロケットエンジンを設計した模様)

2018年にオンデマンドで復刊した模様です。






◆木村逸郎先生のロケット工学(養賢堂)が復刊したよ!(オンデマンドで)
 https://orbitseals.blogspot.jp/2018/04/kimura-rocket.html




しかし、名著であるサットン著のロケット推進工学(翻訳版)や木村逸郎氏著のロケット工学等が禁書にでも指定されているのかと疑いたくなるぐらい、次々と絶版になっている、なっていた事実から、日本には航空宇宙工学分野は、相当に需要が無いと見える。

森北出版のロケットエンジンは、大学生に教科書として使われるから、生き残ったのだろうか?実の所、絶版になったロケット推進工学翻訳版も、木村先生のロケット工学も高いのである。(1万円超え)良い本は、大体3000円以上するので高いです。

また、古い物、海外の物を入れてランキングを作ると、また違った形になると思います。



最後に、それぞれの点数付けしてみた。パラメータを色々振ってみたが、コストや入手性を入れようものなら、評価1(10段階中)となり、試行錯誤しても適当な点数付けになったか怪しい所である。要素別に分けて、それ毎に評価して合算すれば、公平かと思いきや、なかなか難しい。結局、独断と偏見になる訳である。

10段階評価採点、60点満点、(括弧書きは、100点満点で評価)



6. 宇宙ロケット工学入門


 言葉の平易さ:10/10
 数式含有量 :  3/10
 具体的情報度:  3/10
 情報の差別化:  3/10
 システム性 :  7/10
 特化性   :  1/10
 総合評価点 :27/60(45点)


5. ロケットシステム


 言葉の平易さ:  9/10
 数式含有量 :  4/10
 具体的情報度:  3/10
 情報の差別化:  8/10
 システム性 :  7/10
 特化性   :  4/10
 総合評価点 :35/60(58.3点)


4. Aerospace Engine Review Vol.7 OKB-2 Scud Engines


 言葉の平易さ:  7/10
 数式含有量 :  1/10
 具体的情報度:10/10
 情報の差別化:10/10
 システム性 :  7/10
 特化性   :10/10
 総合評価点 :51/60(75点)


3. ロケットエンジン工学


 言葉の平易さ:  5/10
 数式含有量 :  6/10
 具体的情報度:  2/10
 情報の差別化:  6/10
 システム性 :  5/10
 特化性   :  6/10
 総合評価点 :30/60(50点)


2. ロケット推進工学


   言葉の平易さ:  7/10
 数式含有量 :  7/10
 具体的情報度:  6/10
 情報の差別化:  8/10
 システム性 :10/10
 特化性   :  5/10
 総合評価点 :43/60(71.7点)


1. ロケット工学


 言葉の平易さ:  2/10
 数式含有量 :10/10
 具体的情報度:  1/10
 情報の差別化:10/10
 システム性 :  5/10
 特化性   :10/10
 総合評価点 :38/60(63.3点)


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