2018年5月14日月曜日

SR-71をミサイルで撃墜出来なかった理由, Why missiles could not shoot SR-71 Black Bird?

SR-71をミサイルで撃墜出来なかった理由,
Why missiles could not shoot SR-71 Black Bird?





Update:2020.09.08




SR-71は、約4000発の地対空ミサイルを撃たれたが、その全てを自前の速度で振り切ったとされている。何故その様な事が可能であったか、この記事で解説する。




   

    






1. 何故 SR-71は、地対空ミサイルで撃墜されなかったか


ゲーリーパワーズが乗ったU-2の撃墜を受けて、SR-71は高高度をマッハ3で巡航し、地対空ミサイル(SAM)を回避するコンセプトで開発された。実際、SR-71は運用期間中に合計約4000発のSAMを撃たれたが、その全てを自前の速度で振り切ったとされている。このため、撃墜された記録は無い。SR-71は、以下の3点の理由のため、対処が困難である。



1.高高度・高速巡航
SR-71の巡航高度は、25km以上であり、空気密度が小さく、ミサイルを機動させるための空力操蛇が利きづらい。また、高高度を高速で飛行するために、地上発射するSAMの対処時間と対処可能な覆域の関係から、射撃機会が必然的に少なくなり、迎撃は困難になる。



2.低いRCS値 (レーダ断面積)
侵攻してくる航空機に対し、時間に余裕を持って対処するためには、レーダによる、遠方での早期発見が必要であるが、探知距離の限界はレーダー断面積:RCSに依存する。SR-71は、高高度を巡航するため、敵側からの見通可能距離が大きい。しかし、当時の航空機としては極めてRCS値が小さい。このため、遠距離での余裕を持った探知は困難であり、迎撃は困難となる。



3.電子戦
SR-71にはECM(電波妨害装置)が装備されており、ミサイルのレーダーシーカや射撃用レーダーに対して、電子戦を展開出来るため、迎撃は困難となる。



結論から言えば、速度を上げれば、ミサイルに対する航空機の生存性を高める事が出来、RCS値を低くすると、更にその効果は高まる。速度が高ければ、相手からの攻撃を速度で逃げ切れる事が出来、RCS値を低くすれば、近距離までレーダーで捕える事は出来ず、結果として相手の対処時間、つまり待ち構える機会を消滅させる事が出来るからだ。


単純に考えても、航空機の速度が3倍になれば、交戦可能時間と領域は短縮し、その機会は1/3になる事が想像出来るだろう。SR-71は、マッハ3で巡航できた。そのため対処する時間スケールは、これまでの航空機と次元の違う物になる。


高度が高い程、レーダーに発見されやすいため、これを回避する目的で、低高度で飛行を行う地形追随飛行(NOE)は有名である。SR-71の巡航高度が約25kmであれば、地球の弧に対して、単純な手計算をしてみれば分かるが、見渡せる地平線の見通距離は約600kmとなる。

即ち、600km先から敵側レーダーに発見される可能性がある。しかし、レーダーによる探知は航空機のRCSに依存するため、見通距離があっても直ちに発見されるとは限らない。

Grobal Security. orgによれば、SR-71の前方RCSは0.01 m2とされており、当時の航空機としては極めて低いレベルである。(この程度の値でなかったとしても、複数の資料より、1960年代当時の航空機としては、明らかに低いとされている)

これは、1950-1960年代開発当時、米国が既にステルス性能を追求していた事を意味する。実際に、ブラックバードは、地上でのRCS計測を行った上で、機体開発を行っている。(下記写真参照)垂直尾翼の傾き、前部胴体のチャイン形状は、RCS値を低くするために採用された形状であり、結果として、それが機体の空力特性に対しても良い結果を及ぼした。あるいは、逆に機体の空力特性を洗練した結果、それがRCS値に良い影響を及ぼしている。




Fig. 1 砂漠にて、逆さ向けに固定されたブラックバードのモックアップ
RCS計測を行うためのセッティングである



SR-71の機体表面にも第1世代の電波吸収体が開発、塗布されている。ロッキードにとっては、その後のF-117、F-22、F-35戦闘機のステルス機開発の出発点となった。

ただし、実際はSAMを約4000発も撃たれており、ミサイルをそれだけ発射されているということは、敵側のレーダーで探知されていると言える。しかし、レーダー探知可能距離が「他の航空機よりも短い航空機であった」とだけは言えるだろう。





2. 高高度・高速巡航、低RCSによる航空機の生存性向上


高高度・高速巡航、低RCSによる生存性向上の利点を説明するため、偵察地点に設置された地対空ミサイル(SAM)に正面から向かってくるSR-71を考えよう。なお、全ての性能情報が公開されているSAMは無いので、継ぎ接ぎの説明となるが御了承頂きたい。



Fig.2 ロシアのXバンドレーダーの目標RCSに対する探知距離(推測)


今、レーダーによる目標発見からミサイル発射までのリアクションタイムが20秒程度かかると仮定すると、SR-71は、約1km/s(マッハ3)の速度で移動するため、探知から発射に至るまでに、既に約20kmの距離を接近する。

ミサイルの加速度や速度は一様ではないが、平均的にマッハ4の速度をミサイルが出せる場合(高性能な見積であるが)、単純に垂直に打上げた時でも、SR-71の巡航高度25km到達するには、最短約20秒かかる。

だが実際には、水平速度成分を持ちながら追尾・上昇し、迎撃に適するポジションに誘導するための初期誘導、その後の中間誘導があり、飛行経路はその様に単純では無く、約30~40秒前後はかかるだろう。この場合、実際には到達するまでにSR-71は、25~30km移動するため、偵察地点・SAM発射地点を追い越し、追撃する形でミサイルが「追いかける」形で飛んで行く事になる。

仮に追い越す前に会合出来る幾何学位置にミサイルを誘導出来たとしても、会合位置はSAM設置点から、水平距離が数km、かつ高高度の目標であり、SAMの射撃レーダーのほぼ真上で対処する事になる。

水平距離10kmであれば、単純な手計算をしてみると分かるが、レーダーに対する迎角は約68°。水平距離5kmでは、約79°と角度が極めて高迎角であり、レーダーは、ほぼ真上を見上げる形になる。水平方向に対する遠距離の物体を探知する目的で作られたレーダーにとっては想定外の運用条件であり、目標補足や誘導等が極めて厳しい条件となる。


これらの単純想定は、偵察地域に置かれたSAMに対して真っ直ぐ突っ込んでくる場合を想定しているが、射撃可能覆域中心ではなく横切る場合、より対処が困難となる。

何故ならば、高速目標対処のミサイル誘導制御則は、目標前進方向の加速度誤差を最小に抑える目的で、目標正面から会合する形を取るカウンターパラレル法が一般的であり、その幾何学位置にミサイル機体を誘導しなければならず、真っ直ぐ突っ込んでくる場合に比べ、機動がより困難な条件になるからだ。

また、レーダーの角度分解能も影響を与えるだろう。無論、これらに加えてSR-71がSAMに対して電子戦を展開すれば、撃墜出来る可能性はより低減される事は言うまでもない。


この様に、単純に考えるだけでも、以下のことが分かる。

  1. RCSが低いので、直前にならないと探知出来ない。
  2. 高高度を飛行しているため、SAMが上空に到達するには時間がかかる。
  3. 探知して、発射を行うには、リアクションタイムとミサイルの物理的な上昇が必要となるが、上昇している間に、撃墜可能範囲から離脱してしまう可能性が高い。
  4. ミサイルを発射しても、追いかける形でSR-71を追撃する事になる、あるいは、射撃レーダーのほぼ真上で対処することになる。この状態で撃墜する事は極めて困難。
  5. これらに加えて、電子戦を仕掛けられた場合、撃墜がほぼ不可能な状態になる。


ソ連側にとっては悲惨な有様である。





3. S-75(SA-2)ミサイルによる、SR-71の迎撃


上記の話は、現代の地対空ミサイルによってSR-71の対処を想定する場合の問題点について語ったが、SR-71が運用されていた1960年代当時のSAMを想定すると、当然ながら性能はより低く、対処はより困難となる。


例えば、当時ソ連側で主力として使用されていたS-75(SA-2)であれば、ミサイル機体側の問題として、2段式でブースター分離を行うため、発射機からの一定の近距離は対処可能な覆域に入らない。爆撃機等の低速目標を対象としたS-75は、誘導則はビームライデイング航法であり、射撃管制レーダーの性能も劣る。




Fig.3 S-75(SA-2)ミサイルによるSR-71の迎撃可能領域概要図(米国)



このため、上図の様に、限られた領域(水平距離5~9NM(9.3~16.7km)の上空、速度領域M3.0~3.5)でしか、対処が出来なかったとする西側の意見もある。この領域で迎撃する場合も、相当遠くからレーダで捕捉し、タイミングを狙わないと実現できない会合条件である。

ただし上記の図は性能見積をした想定資料であり、それ程、正しくないかもしれない。(これについては後述する)しかも、射撃レーダを照射した時点で、SR-71は回避行動を取れる訳で、電子戦による対抗手段を使用する事は言うまでもない。


U-2を撃墜したS-75ミサイルだが、複数発射を行い、ようやく撃墜に至った経緯がある。これがSR-71では、マッハ3の高速かつ高高度(U-2と同じ高度25km)のため、何発打てば効果的なものになるかは、難しい問題である。


では追い越した後、対処する場合はどうだろうか?ミサイルが追撃する形になるが、SR-71は偵察機なので成り立つ条件であり、爆撃機であれば、目標頭上を通過した時点で、SAM陣地に攻撃が加えられ破壊されるため、追撃による射撃は、ほとんどあり得ないシチュエーションである

偵察地点を追い越す場合、追い越す前に発射されたミサイルは、射撃方向に対して180°旋回する必要があるため、速度エネルギーが失われ迎撃に不利となる。高空での空力操蛇による旋回という条件も、低空程操蛇は効かず追随を困難にする要素である。

そして、マッハ3の速度を維持するSR-71を追撃する形になるため、仮に水平速度マッハ4で追いかけたとしても相対速度としては、マッハ1に減速する。しかもミサイルの推進力がロケットモータであれば、燃焼終了後、空気抵抗で徐々に減速して行くため、常に最高速度は維持出来ない。

途中で推進力が切れ、マッハ3以下になると、SR-71の高速巡航に追いつけず迎撃は確実に失敗するのだ。つまり、高度約25km以上において、マッハ3の速度を維持し続ける事がSAM側には迎撃の「最低条件」となる。


追撃する場合、「高度約25km以上において、マッハ3の速度を維持し続ける事が最低条件である」 
【大事なことなので、2回言いました】


S-75等の旧式SAMであれば、追い越す前に発射された場合、急激な旋回を行っても空力操蛇ではSR-71に対して追随出来ず、迎撃は失敗する。これらの事は、多少考えれば、すぐ答えは導き出される簡単な結果である。この事は、下記のロシア側の資料にも書かれている。



Fig.4 S-75(SA-2)ミサイルによるSR-71の迎撃可能領域概要図(ソ連)


こちらでは、米国側のFig.3と異なり、水平距離15.5~30kmが対処可能領域として示されている。どちらがより正しいかは、上記のロシア側のFig.4、Fig.5資料と、S-75を自国でライセンス生産した、中国のHQ-2に関する資料Fig.6から考える。



Fig.5 SA-2(S-75)の迎撃可能領域




Fig.6 HQ-2Bの迎撃可能領域(中国ライセンス生産版S-75)



これらによると、水平距離約11~12km以降でないと、ブースタロケットが切り離せないために、対処出来ないのは同様である。そのため、米国側のFig.3よりも、ロシア側のFig.4の資料の方が確からしいと考えられる。

また、旧式SAMであるSA-2(S-75)は、高度25kmの目標に対しては、発射機より水平距離約15km以内まで接近されると、発射しても迎撃出来ない領域に入ることが理解できる。これは先に述べた射撃レーダの性能限界による物と考えられる。

S-75の様な、旧式のSAMサイトは、4~6基の発射機を1つのパッケージとして運用していたが、それぞれの発射機が一方方向に傾いてセットされ、一方向からの脅威対処しか想定してないためである。

このため、偵察地点を追い越した時点で、逆象限に存在する航空機の迎撃のために、更なる射撃を加える事になるが、マッハ3のSR-71を追いかける形で発射される事になる。

この場合、先に述べた様に、初期高度・速度0のSAMを高度約25km、速度マッハ3で巡航するSR-71に対して会合条件に持って行く間に、高速のSR-71がSAMの射程範囲外に脱出する可能性が高い。射程50km程度のS-75では、偵察地点を追い越した状態で発射しても、会合する事は、ほぼ不可能であると考えられる。

後追いで発射する条件では、射程100km以上の長射程SAM等でなければ、追随すら不可能と考えられる。このため、SAMがSR-71を撃墜するのであれば、強力なレーダによって、より遠方で機体を探知し、SAM発射機に対して接近中の状態において、最適な条件で発射を行うか、長射程かつ高性能のSAMを使用することでしか、撃墜は望めないであろう。

実際、旧ソ連では、SR-71への対処も可能な長射程SAM:S-200(SA-5)を開発し、ソ連防空部隊は、高高度に侵入するSR-71に対して多数発射を実施したが、撃墜には一度も成功していない。



余談だが、U-2が撃墜され、SR-71開発が急がれた当時の背景が分かる映画として、ゲーリーパワーズとソ連スパイとの交換に携わった弁護士を描いた、映画「ブリッジオブスパイ」が良作なのでお勧めしたい。



   







    

    





References
[1] How was SR-71 able to outrun, or otherwise successfully avoid, SA missiles?
   http://www.quora.com/How-was-SR-71-able-to-outrun-or-otherwise-successfully-avoid-SA-missiles
[2] Which interceptor can stop SR-71?
     http://www.f-16.net/forum/viewtopic.php?f=46&t=3769&start=90
[3] The SR-71, Part V By Scott Schwartz
     http://inflight.squarespace.com/aviation-ancestry/?currentPage=2
[4] Engagement and Fire Control Radars (S-band, X-Band, Ku/K/Ka-band) , Technical Report APA-TR-2009-0102
     http://www.ausairpower.net/APA-Engagement-Fire-Control.html
[5] Almaz S-75 Dvina/Desna/Volkhov Air Defence System / HQ-2A/B / CSA-1 / SA-2 Guideline Зенитный Ракетный Комплекс С-75 Двина/Десна/Волхов
     http://www.ausairpower.net/APA-S-75-Volkhov.html
[6] Fundamentals of Stealth Design & Concepts of RCS Reduction
     http://defence.pk/threads/fundamentals-of-stealth-design-concepts-of-rcs-reduction.73549/page-2
[7] Radar Cross Section (RCS)
     http://www.globalsecurity.org/military/world/stealth-aircraft-rcs.htm
[8] 元パイロットが語る、SR-71ブラックバード操縦のスリル,    
      http://www.gizmodo.jp/2010/05/sr-71.html
[9] Retro Monday: Flying the SR-71 Blackbird,
      http://www.defensetech.org/2011/11/07/retro-monday-flying-the-sr-71-blackbird/
[10] China's Luyang-II Class / Type 052C Destroyer,
       http://forum.worldofwarships.com/index.php?/topic/455-chinas-luyang-ii-class-type-052c-destroyer/
[11] SA-5ガモン地対空ミサイル, http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/SA-5.htm




The SR-71 was fired with about 4,000 surface-to-air missiles, all of which were reportedly swept away at its own speed. This article will explain why that was possible.



1. Why the SR-71 was not shot down by surface-to-air missiles?


Following the downing of the U-2 with Gary Powers on board, the SR-71 was developed with the concept of cruising at high altitude at Mach 3 and evading surface-to-air missiles (SAMs). In fact, the SR-71 was hit by a total of about 4,000 SAMs during its operational life, all of which it is believed to have swept away at its own speed. The SR-71 is difficult to deal with for the following three reasons.



1.High altitude and high speed cruise
The SR-71's cruising altitude is more than 25 km, and its low air density makes it difficult to maneuver the missile through the air. In addition, the SR-71 flies at high altitudes and has little opportunity to intercept ground-launched SAMs due to its limited coverage and response time.



2.Low RCS value (radar cross-sectional area)
In order to be able to deal with the invading aircraft in a timely manner, early detection by radar at a distance is necessary. However, its RCS value was extremely low for an aircraft of the time. This made it difficult to detect and intercept at long distances.



3.Electronic Warfare
The SR-71 is equipped with an ECM (radio jamming device) that allows it to deploy electronic warfare against the missile's radar seeker and firing radar, making it difficult to intercept.



In conclusion, increasing the speed will increase the survivability of aircraft against missiles, and lowering the RCS value will further increase this effect. A higher speed would allow the aircraft to escape an attack from an opponent with speed, while a lower RCS value would prevent the radar from capturing it at close range, thus eliminating the opponent's response time, or opportunity to wait.


The SR-71 could cruise at Mach 3. So the time scale to be dealt with would be on a different dimension than previous aircraft.

If the SR-71's cruise altitude was about 25km, a simple manual calculation of the earth's arc would give it a vantage point of about 600km over the horizon, which it could see from 600km away.

In other words, it could be detected by enemy radar from 600 km away. However, radar detection is dependent on the RCS of the aircraft, so even with a line-of-sight range, it is not always immediately detectable.

According to Grobal Security. org, the SR-71 has a forward RCS of 0.01 m2, a very low level for an aircraft at the time. (Even if it wasn't this low, multiple sources indicate that it was clearly low for an aircraft of the 1960's.)

This means that at the time of its development in the 1950s and 1960s, the United States was already pursuing stealth performance. In fact, the Blackbird was developed after measuring the RCS on the ground. The inclination of the vertical tail and the chine shape of the forward fuselage were adopted to reduce the RCS value, and as a result, it had a positive effect on the aerodynamic characteristics of the aircraft. Or, conversely, the refinement of the aircraft's aerodynamics has resulted in it having a positive effect on the RCS value.





Fig. 1 Mock-up of a blackbird fixed in the desert, facing upside down
This is a setting for performing RCS measurements



The first generation of radio absorber was also developed and applied to the fuselage surface of the SR-71. For Lockheed, it was the starting point for the subsequent development of the F-117, F-22 and F-35 fighter stealth aircraft.

In reality, however, the SAMs were fired at about 4,000 rounds, and the fact that the missiles were being fired at that many missiles means that they were detected by the enemy's radar. However, we can only say that the radar detectable range of the aircraft was "shorter than that of any other aircraft".






2. High altitude, high speed cruise and low RCS to improve aircraft survivability


To illustrate the advantages of high altitude, high speed cruise, and low RCS to improve survivability, consider an SR-71 coming head-on into a surface-to-air missile (SAM) placed at a reconnaissance site. To illustrate the advantages of the SR-71, consider the SR-71's frontal approach to a surface-to-air missile (SAM) placed at a reconnaissance point.



Fig.2 Detection distance of the Russian X-band radar to the RCS target (Estimated calculation results)


Now, assuming that the reaction time from radar target detection to missile launch takes about 20 seconds, the SR-71, traveling at a speed of about 1 km/s (Mach 3), will already be about 20 km closer from detection to launch.

The acceleration and speed of the missile are not uniform, but if the missile can reach Mach 4 speeds on average (a high performance estimate), even when simply launched vertically, it would take a minimum of about 20 seconds for the SR-71 to reach a cruising altitude of 25km.

In reality, however, the flight path is not as simple as that; it would take about 30 to 40 seconds to track and ascend with a horizontal speed component, and then initial and intermediate guidance to guide the aircraft to a position suitable for interception. The flight path is not as simple as that, and it would take about 30-40 seconds. In this case, the SR-71 would have to travel 25-30 kilometers before it could actually reach the target, so the missile would have to fly past the reconnaissance and SAM launch sites, and the missile would have to "chase" them as it pursued them.

Even if the missile could be guided to a geometric position where they could meet before passing, the meeting point would be a high-altitude target at a horizontal distance of several kilometers from the SAM's installation point and would be almost directly above the SAM's firing radar.

At a horizontal distance of 10km, the angle of attack to the radar is about 68 degrees, as can be seen by a simple manual calculation. At a horizontal distance of 5km, the angle of attack is about 79 degrees, which is a very high angle of attack, and the radar will be looking straight up. These are unexpected operating conditions for a radar designed to detect objects at long distances relative to the horizontal direction, making target supplementation and guidance extremely difficult.


These simple assumptions are based on the assumption that the radar is going straight into a SAM placed in a reconnaissance area.

This is because the missile guidance and control law for dealing with a high-speed target is generally the counter-parallel method where the missiles meet in front of the target to minimize the acceleration error in the forward direction of the target, and the missile body must be guided to its geometric position, which makes the maneuvering more difficult than in the case of a head-on collision. Because of the conditions.

The angular resolution of the radar will also have an impact. Needless to say, if the SR-71 deploys electronic warfare against SAMs, it will reduce its chances of being shot down even more.



In this simple way, we can see the following.

  1. The RCS is so low that it can't be detected until just before.
  2. Because of the high altitude of the flight, it takes time for the SAM to reach the sky.
  3. Detection and firing would require reaction time and a physical ascent of the missile, but while it is ascending, it will likely break away from its shootable range.
  4. Even if the missile is fired, it will have to chase the SR-71 in pursuit, or deal with it almost directly above the firing radar. It is extremely difficult to shoot them down in this situation.
  5. In addition to these, if electronic warfare was set up, it would be nearly impossible to shoot down.

The situation is disastrous for the Soviet side.






3. Interception of the SR-71 by an S-75 (SA-2) missile


The above discussion has discussed the problems with assuming that modern surface-to-air missiles can deal with the SR-71, but if we assume the SAMs of the 1960s, when the SR-71 was in operation, the performance is naturally lower and more difficult to deal with.


For example, the S-75 (SA-2), which was used as the mainstay of the Soviet Union's missile system at the time, is a two-stage missile with booster separation, which means that the missile is unable to cover a certain amount of distance from the launcher. For the S-75, which targets bombers and other low-speed targets, the guidance law is beam-riding navigation, and the performance of the fire control radar is inferior to that of the S-75.




Fig.3 Overview of the area where the SR-71 can be intercepted by an S-75 (SA-2) missile (USA)



Therefore, as shown in the above figure, some Western observers argue that they were only able to deal with it in a limited area (5-9 NM (9.3-16.7 km) horizontal distance and M3.0-3.5 velocity range). Even when intercepting in this area, radar acquisition from a considerable distance and timing is required to achieve these meeting conditions.

However, the above figure is based on a performance estimate and may not be so accurate. (This will be discussed later.) Moreover, the SR-71 could take evasive action at the time it fired its radar, not to mention the use of electronic countermeasures.

The S-75 missile that shot down the U-2 was fired multiple times before it was finally shot down. This is the case with the SR-71, which has a high speed and high altitude of Mach 3 (same altitude as the U-2, 25km), so it is a difficult question of how many shots to fire to be effective.

So what about dealing with it after overtaking it? The SR-71 is a reconnaissance aircraft, so the missile is in pursuit of its target, and if it is a bomber, the SAM position is attacked and destroyed as soon as it passes over the target's head, so follow-up fire is almost impossible.


When overtaking a reconnaissance point, a missile fired before overtaking it must turn 180 degrees in the direction of fire, resulting in a loss of velocity energy and a disadvantage for intercepting the missile. The requirement to turn by aerodynamic maneuvering at high altitude is another factor that makes tracking difficult, as low altitude maneuvering is ineffective.

Even if the missile were to be pursued at a horizontal speed of Mach 4, its relative velocity would be reduced to Mach 1. If the missile is propelled by a rocket motor, the missile would gradually decelerate due to air resistance after the end of its combustion, so it would not always be able to maintain its maximum speed.

If the missile loses propulsion and falls below Mach 3, it will not be able to catch up with the SR-71's high-speed cruise and will fail to intercept the missile. In other words, the SAMs are required to maintain a speed of Mach 3 at an altitude of at least 25km.



The minimum requirement for a chase is to maintain a speed of Mach 3 at an altitude of at least 25 kilometers.  [I said it twice because it's important]


If an older SAM, such as the S-75, was fired before it could overtake, even if it made a sharp turn, it would not be able to follow the SR-71 with its aerodynamic maneuvering snake and the interception would fail. These are simple results that can be answered with a little thought. This is described in the following Russian documents.





Fig.4 Overview of the area where the SR-71 can be intercepted by an S-75 (SA-2) missile (USSR)



Unlike the U.S. Fig. 3, Fig. 3 shows a range of 15.5-30 km horizontally, which differs from the U.S. Fig. 4 and Fig. 5, which are more accurate. To determine which is more accurate, see Fig. 4 and Fig. 5 above from the Russian side and Fig. 6 from the Chinese HQ-2, which was produced under license in China.




Fig.5 SA-2 (S-75) interceptable area




Fig.6 HQ-2B interceptable area (China Licensed Production Version S-75)



According to these data, the booster rocket cannot be detached until after a horizontal distance of about 11-12 km, and the same is true for the booster rocket. Therefore, the Russian Fig. 4 is more likely to be accurate than the American Fig. 3.

It is also understood that the SA-2 (S-75), an older SAM, is unable to intercept targets at an altitude of 25 km, even if it fires at them, if it comes within about 15 km horizontally of the launcher. This is thought to be due to the performance limitations of the aforementioned shooting radar.

Older SAM sites, such as the S-75, operated with four to six launchers in one package, but each launcher was set to be tilted in one direction and was designed to deal with threats from only one direction.

As a result, once it had passed the reconnaissance point, further fire would be added to intercept the aircraft in the opposite quadrant, but it would be launched in pursuit of the Mach 3 SR-71.

In this case, as mentioned earlier, the high speed SR-71 is likely to escape out of the SAM's range while bringing the SAM at initial altitude and speed of zero into meeting conditions against the SR-71 cruising at an altitude of about 25 km and speed of Mach 3. With an S-75 with a range of about 50 km, it would be nearly impossible for the S-75 to meet, even if it were to fire while overtaking the reconnaissance point.

Under the conditions of a follow-up launch, it would be impossible for the SAM to even follow up unless it was a long-range SAM with a range of 100 km or more. If the SAMs were to shoot down the SR-71, they would have to use powerful radar to detect the aircraft at a greater distance and fire under optimal conditions while it was approaching the SAM launcher, or they would have to use a long-range, high-performance SAM.

In fact, the former Soviet Union developed a long-range SAM: the S-200 (SA-5), which is also capable of dealing with the SR-71, and the Soviet air defense forces conducted numerous firings against the SR-71's entering at high altitude, but never succeeded in shooting them down.



As an aside, I'd like to recommend the movie "Bridge of Spies", about a lawyer involved in the exchange of Gary Powers for Soviet spies, as a good movie that shows the background of the time when the U-2 was shot down and the development of the SR-71 was rushed.



   







    

    





References
[1] How was SR-71 able to outrun, or otherwise successfully avoid, SA missiles?
   http://www.quora.com/How-was-SR-71-able-to-outrun-or-otherwise-successfully-avoid-SA-missiles
[2] Which interceptor can stop SR-71?
     http://www.f-16.net/forum/viewtopic.php?f=46&t=3769&start=90
[3] The SR-71, Part V By Scott Schwartz
     http://inflight.squarespace.com/aviation-ancestry/?currentPage=2
[4] Engagement and Fire Control Radars (S-band, X-Band, Ku/K/Ka-band) , Technical Report APA-TR-2009-0102
     http://www.ausairpower.net/APA-Engagement-Fire-Control.html
[5] Almaz S-75 Dvina/Desna/Volkhov Air Defence System / HQ-2A/B / CSA-1 / SA-2 Guideline Зенитный Ракетный Комплекс С-75 Двина/Десна/Волхов
     http://www.ausairpower.net/APA-S-75-Volkhov.html
[6] Fundamentals of Stealth Design & Concepts of RCS Reduction
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[7] Radar Cross Section (RCS)
     http://www.globalsecurity.org/military/world/stealth-aircraft-rcs.htm
[8] 元パイロットが語る、SR-71ブラックバード操縦のスリル,    
      http://www.gizmodo.jp/2010/05/sr-71.html
[9] Retro Monday: Flying the SR-71 Blackbird,
      http://www.defensetech.org/2011/11/07/retro-monday-flying-the-sr-71-blackbird/
[10] China's Luyang-II Class / Type 052C Destroyer,
       http://forum.worldofwarships.com/index.php?/topic/455-chinas-luyang-ii-class-type-052c-destroyer/
[11] SA-5ガモン地対空ミサイル, http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/SA-5.htm


1 件のコメント:

  1. 現実の撃墜例を見てもわかる通り、戦闘機の一番の驚異は敵戦闘機ではなくてSAMなんですよね。
    F-22の初期コンセンプトも敵SAM陣地を振り切るでしたから、高高度(訓練でも2万mで巡航してる)での超音速巡航能力の為にターボジェット並の低バイパス比エンジンを採用したり、舵の効きにくい空気密度の低い高高度でも起動できるようTVCを採用したり、もちろんステルスもより高度な技術を投入してたりします。

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