2020年8月30日日曜日

内閣衛星情報センターの短期打上型小型衛星はキヤノン電子 & スペースワンのロケット1号機で打ち上げるのか?Japan CSICE Cabinet Satellite Intelligence Center's short-launch small satellite will be launched on the Canon Electronics & Space One's 1st rocket ?

内閣衛星情報センターの短期打上型小型衛星は、キヤノン電子 & スペースワンのロケット1号機で打ち上げるのか?

Japan CSICE Cabinet Satellite Intelligence Center's short-launch small satellite will be launched on the Canon Electronics & Space One's 1st rocket ?







Update:2020.08.31




キヤノン電子が出資するスペースワンのロケットは、2021年衛星打ち上げサービスインを目指して、計画されている。その中での一つの関心が、「衛星打ち上げロケット1号機の搭載衛星は何か?」ということだ。ネット上では、内閣衛星情報センターの短期打上型小型衛星が、搭載予定衛星ではないか?という噂がささやかれている。今回の記事は、これについて検証する。

キヤノン電子が出資するスペースワンのロケットは、2021年衛星打ち上げサービスインを目指して、計画されている。その中での一つの関心が、「衛星打ち上げロケット1号機の搭載衛星は何か?」ということだ。ネット上では、内閣衛星情報センターの短期打上型小型衛星が、搭載予定衛星ではないか?という噂がささやかれている。


● ZplusC1Bst 氏

Twitterの宇宙開発ウォッチャーである、ZplusC1Bst 氏によると、「具体的な証拠はない」としながらも、状況証拠として以下を挙げている。

  1. 基本計画工程表にある「短期打上型小型衛星」の打上時期は2021年度。
  2. 同表の「基幹ロケットの優先的使用」に該当打上がない。
  3. 内閣衛星情報センターが国外のロケットを使用するとは考えにくい。
  4. キヤノン電子のスペースワンは2021年度に衛星打上サービスイン予定。
  5. インターステラテクノロジズ社のZEROは、2021年度打ち上げに間に合わない。従って、基幹ロケット以外で人工衛星を打ち上げられる可能性がある日本のロケットはスペースワンのみである。


ZplusC1Bst氏は、宇宙基本計画工程表のIGS光学衛星の「短期打上型小型衛星」についてウォッチしており、2020年の改訂案で打上げが2021年度に変更になったことに以前から気にかけていた。その中で、以下を言及している。

  • 短期打上型小型衛星用途として、「基幹ロケットの優先的使用」の項目には記載がない。このため、H-IIA/B/H3/イプシロン 以外による打ち上げを行うはずである。
  • スペースワンのロケット初号機打上げと、短期打上型小型衛星の打ち上げが、両方とも2021年であり被っている。




● 秋山文野 氏


「スペースワンは2020年にシステムテストフライト、2021年末商業打ち上げ開始予定なので、「2020年度の打上げを目指し、短期打上型小型衛星の実証研究」と合致する可能性はある」 と述べている。





● NASA Space Flight.com

次に、スペースワンとキヤノン電子の宇宙開発情報をウォッチしている、NASA Space Flight.com の掲示板では、Asteroza 氏が以下の様に述べている


Rumor mill states the first flight has been delayed by at least a year, but the first payload has been secured (appears to not be a "traditional" commercial customer, so probably government). 

噂によると、最初の飛行は少なくとも1年遅れているが、最初のペイロードは確保されている(「伝統的な」商業的な顧客ではないようで、おそらく政府の)。








2. 検証


2-1.スペースワンのロケット打ち上げ予定





スペースワンのロケット打ち上げロードマップ



スペースワンの公式Webに、上記の表として、打ち上げ予定が記載されている。これに加えて、近年の日本の宇宙開発ウォッチから、次のことが分かる。


  1. 2017年と2018年に小型ロケットの予定がそれぞれ1回入っている。これに該当するロケットの打ち上げは、SS-520-5と、SS-520-6と見られる。
  2. SS-520-5と、SS-520-6は、民生技術を用いてロケット・衛星の開発を行い、3kg程度の超小型衛星の打上げの実証を行うことが目的であった。SS-520-5は打ち上げに失敗し、SS-520-6は成功した。
  3. 2機のロケットは、JAXAのプロジェクトの体裁となっている。しかし、2018年の日経新聞では、「キヤノン電子とIHIエアロは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型ロケット開発に参画。18年2月に打ち上げた「SS-520」でも航行技術やエンジン開発などを供給した。」、「キヤノン電子はカメラ技術を応用した制御機器をロケットに提供した」とある。本プロジェクトは、JAXAが主導し、予算を出しているが、民間企業自身が「今後のビジネス推進の試験の場」として打ち上げ機会を最大限有効活用したかったのではないか。
  4. このことは、スペースワンの公式Webでも、「アビオニクステストフライト」と書かれており、SS-520ロケット打ち上げ契約は、単なる契約以上に、今後のビジネスの踏み台とした「通過点的表現」がなされている。
  5. これらより、キヤノン電子及びスペースワンは、民生部品転用等の要素技術をJAXAのプロジェクトに乗っかる体裁で試験を実施、試験を計画していると見られる。
  6. 加えて、小型ロケット打ち上げ表示は、2020年にもマークされており、2020年または2020年度中に、3回目のSS-520等を用いた、「宇宙用アビオニクステストフライト」を実施すると見られる。
  7. そして、このロードマップ通りであれば、2021年または2021年度中には、スペースワンが開発した、衛星打ち上げロケット初号機を打ち上げ予定である。






2-2.内閣情報衛星センター、短期打上型小型衛星システムの実証研究とスケジュール


内閣衛星情報センターは、外交・防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報を収集することを目的として、情報収集衛星システムの開発・運用及び画像情報の収集・分析等を行っている組織である。

簡単に言えば、「情報収集衛星システム」と呼ばれる、日本の「偵察衛星」を運用している重要組織である。

この内閣衛星情報センターは、2020年現在「短期打上型小型衛星システムの実証研究」を実施している。その目的は、情報収集衛星に不測の事態が発生した際、一定期間、その機能を代替することを目標として、短期間に打ち上げ可能な小型衛星の実証研究を行うということである。つまり、これは情報収集衛星に問題が生じた時に、代わりに迅速に打ち上げる光学式の小型衛星に関する研究である。



本研究で、短期打上型小型衛星に求められる性能緒言は以下

  1. 重量100kg以内分解能1m以下の光学衛星
  2. 実用化時に短期(2~3ヶ月程度を目標)での製造・試験が完了


スペースワンの新型ロケットの人工衛星打ち上げ能力は、太陽同期軌道(南方打ち上げ、高度500km)で、150kgと言われており、短期打上型小型衛星システムの重量100kg以内は、これを満たす。




本研究では、研究のみならず、実際に衛星を製造し、ロケットで軌道上に打上げて、2年間の実証運用を行い有用性評価を行う予定である。

平成28年11月当初に示された主家ジュールは以下の通りである。



短期打上型小型衛星システムの実証研究のスケジュール
2019年に打ち上げ予定であった



しかし、このスケジュールは、平成30年の宇宙基本計画工程表報告書で以下の様に改定されている。平成30年度時点では、2020年度に打ち上げ予定に後ろ倒しされた。





宇宙基本計画工程表(平成30年度改訂)平成30年12月時点のスケジュール
2020年に打ち上げ予定であった



そして2020年現在、最新の宇宙基本計画工程表(令和元年12月13日 宇宙開発戦略本部決定)では、以下の様になっている。





宇宙基本計画工程表(令和元年度改訂)令和元年12月時点のスケジュール
短期打上型小型衛星システム打ち上げは、2021年に中頃になっている


最新のスケジュールでは、短期打上型小型衛星システム打ち上げは、2021年に中頃になっており、これは前述のスペースワンが初打ち上げをするロケットの日程と一致している。


また、令和2年度の宇宙基本計画工程表には、「即応型小型衛星システムの運用上のニーズ及び、運用構想等に関する検討」という題目で、短期打上型小型衛星の実証運用と連携すると記述されている。





なお、本研究において、短期打上型衛星の衛星システム自体は、株式会社エイ・イー・エスが契約取得した。地上システム部は、スカパーJSAT株式会社が取得している。以下、JM2040記事「内閣衛星情報センター、短期打上型小型衛星システムの実証研究を契約」を引用する。


内閣衛星情報センターは「短期打上型小型衛星システムの実証研究」を2016年度から行っています。2016年度、2017年度に衛星システムをエイ・イー・エス、地上システムをスカパーJSATと契約しています。JAXAが支援しています。短期打上小型衛星は、重量100kg以内、分解能1m以下の光学衛星で、情報収集衛星に故障等が発生した際に一定期間代替として使用するものです。この実証研究では2020年に打上げて有用性の評価が行われます。

2016年度に地上システムの企画競争の公告がありましたが調達実績からは確認できませんでした。

2016年度
品目 短期打上型小型衛星システムの実証研究(その1)
契約日 2016/11/07
契約相手方 エイ・イー・エス
契約額 42,973,200 円

品目 短期打上型小型衛星システムの実証研究支援(その1)
契約日 2016/11/21
契約相手方 JAXA
契約額 7,492,824円

2017年度
品目 短期打上型小型衛星システムの実証研究(地上システム部)
契約日 2017/08/17
契約相手方 スカパーJSAT
契約額 213,868,080円

品目 短期打上型小型衛星システムの実証研究(衛星システム部)
契約日 2017/07/27
契約相手方 エイ・イー・エス
契約額 925,560,000円

短期打上型小型衛星システムの実証研究支援(平成29年度)
契約日 2017/08/17
契約相手方 JAXA
契約額 14,497,920円

出典
内閣府 公共調達に関する公表(契約状況の公表) 
http://www.cao.go.jp/chotatsu/kohyo/kohyo.html
短期打上型小型衛星システムの実証研究について
http://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-anpo/anpo-dai17/shiryou1.pdf
短期打上型小型衛星システムの実証研究(その1)に係る企画競争について
http://www.cao.go.jp/chotatsu/mitsumori/koubo/280711koukoku1.pdf
短期打上型小型衛星システムの実証研究(その2)に係る企画競争について
http://www.cao.go.jp/chotatsu/mitsumori/koubo/280711koukoku2.pdf
株式会社エイ・イー・エス
http://www.aes.co.jp/






2-3.日本の基幹ロケットの打ち上げスケジュール(H-2A/B, H-3, イプシロン)


日本の基幹ロケットである、H-2A/B, H-3, イプシロン ロケットは、衛星打ち上げに合わせて前々から計画されている。これらのスケジュールについても、宇宙基本計画工程表で定められている。最新の令和2年度の宇宙基本計画工程表には、以下の様に記載されている。




該当する2021年の打ち上げ衛星として、「短期打上型衛星」は掲載されていない。2021年に、日本の基幹ロケットによって打ち上げ予定の衛星は以下の通りである。


  1. 準天頂衛星初号機後継機(H-2A)
  2. 先進レーダ衛星(だいち4号)(H-3)
  3. HTV-X 1号機(H-3)
  4. 革新的衛星技術実証2号機(イプシロン)



この中には、短期打上型小型衛星専用として、スケジュールがエントリーはされていない。(100kg程度の衛星なので、当たり前かもしれないが)そこで、これらに相乗り衛星として打ち上げることが一つの推定として挙げられる。ただし、相乗りでも、上下2分割型のフェアリングなどを用いて衛星2機の同時打上げなどを行うには、基幹ロケットの規模から、100kgは小さすぎる。

そこで、これらに相乗り衛星の形体として、ピギーバック衛星が挙げられる。基本的に、日本のピギーバック衛星の形態では、寸法は縦・横・高さともに50cmで、質量は50kg以下が原則である。ピギーバック衛星は、日本では、主にH-2Aロケットによって打ち上げられており、最大で4機搭載可能である。


短期打上型小型衛星は100kgなので、50kg以下に該当しないが、過去には、短期打上型小型衛星の質量100kgと同レベルの質量を持った、小型実証衛星1型(SDS-1)がピギーバック衛星として打ち上げられた事があった。そのため、短期打上型小型衛星が、大型ロケットの打ち上げ余剰能力を活用して、主衛星とともに打ち上げられることはあり得る。




ピギーバック衛星として2009年に打ち上げられたSDS-1(100kg)



ただし、ピギーバック衛星はフェアリング根本に搭載される、あくまでも主衛星に対する「サブ衛星」であり、主衛星である大型衛星の軌道が優先され、ピギーバック衛星は当初はほとんど同じ軌道に投入される。以下は、H-2Aロケット15号機で2009年に打ち上げられた、GOSAT衛星(いぶき)とSDS-1の軌道要素を並べている。これを見ると、ピギーバック衛星は、主衛星とほぼ同じ軌道上に投入されることが分かる。






GOSAT(いぶき)と SDS-1の軌道比較



これらから考察すると、以下の様になる。


1. × 準天頂衛星初号機後継機(H-2A)
   → 静止軌道の衛星なので適さない

2. △先進レーダ衛星(だいち4号)(H-3)
   → H-3でのピギーバック実績なし

3. × HTV-X 1号機(H-3)
   → HTV搭載のH-2Bでのピギーバック実績なし、HTV専用
           H-3のピギーバック実績なし

4. × 革新的衛星技術実証2号機(イプシロン)
   → 革新的衛星技術実証1号機と同様に、当初計画からピギーバック衛星を搭載
     キューブサットを搭載(7基)するため、余剰スペースなし。


 

主衛星とキューブサットを7個搭載したイプシロンロケットのフェアリング内部




これらの考察から、ピギーバックとして搭載するなら、先進レーダ衛星(だいち4号)が有力である。ただし、現時点で開発が終了していないH-3ロケットのピギーバック実績はない。

また、ピギーバック衛星がH-3ロケットに搭載可能であったとしても、主衛星である、先進レーダ衛星(ALOS)は、前機種のALOSが高度698km・軌道傾斜角98.2度、ALOS-2が高度628km・軌道傾斜角97.9度、ALOS-3が高度669km(予定)である。ここから考えると、高度は600-700km程度となり、分解能1m以下という短期打上型小型衛星の目標を達成できるかは疑問である。

高度600-700km程度において、分解能1mを持つ衛星の例としては、以下が挙げられる。


・QuickBird
 高度600km, 分解能1m, 質量950kg

SPOT-6,-7
   高度694km, 分解能1.5m(パンクロマティック), 質量714kg

KazEOSat-1
 高度750km, 分解能1m(パンクロマティック), 質量830kg



いずれも、質量が7~10倍大きい。これらは望遠レンズの質量も大きく、小型で分解能1mの観測衛星を達成するためには、重量を削るために軌道をもっと下げなければならないと考えられる。

※ただし、追加の調査で、キヤノン電子のCE-SAT-Ⅰが65kg以下の質量、高度600kmで分解能1mを達成できることが判明したため、先進レーダ衛星(だいち4号)にピギーバック衛星として同時打ち上げの可能性は依然としてある。


以上の理由により、2021年度において、日本の基幹ロケットの中で、短期打上型小型衛星を打ち上げるために適当なロケットは存在しない可能性が高い。

このため、短期打上型小型衛星を打ち上げるためには、別途ロケットを用意する必要があると考えられる。






2-4.スペースワン以外のロケットで打ち上げられる可能性


スペースワン以外のロケットで打ち上げられる可能性はあるのではないか。ただし、それらも以下の理由によって否定される可能性が高い。


  1. 日本の基幹ロケットは、以上の理由により使用できない可能性が高い。しかしながら、内閣衛星情報センターが、国外のロケットを使用するとも考えにくい。
  2. 基幹ロケットに変わる国内のロケットとしては、インターステラテクノロジズ社が開発中の軌道投入ロケット:ZEROが存在する。しかしながら、ZEROは2023年頃のサービスインを目指しているため、2021年の打ち上げに間に合わない。






3. 官需契約を勝ち取り、会社を大きくしたSpaceXと同じ戦略をとるのか?


あのSpaceXにおいても、会社設立初期のFalcon1 ロケット打ち上げは、民間出資に加えて、DARPAの資金に頼った。(以前の記事で解説:SpaceX Falcon1ロケットとDARPAの開発資金提供, SpaceX Flacon1 rocket and DARPA

その後も、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届けるための、NASAの商業軌道輸送サービス(COTS)契約を勝ち取ったことによって、企業規模を大きくした過去の経緯がある。

宇宙開発ベンチャー企業にとっては、2020年代現在の宇宙開発事業のパイが限られている中、まずは官需に頼りつつ事業展開を進めるのが手堅いだろう。仮に、キヤノン電子 & スペースワンのロケット 第1号機が、内閣衛星情報センターの短期打上型小型衛星打ち上げることになるのなら、SpaceXと同等の戦略を取って事業展開をしていくことになると考えられる。







4. 小型衛星、小型衛星打ち上げロケットの特需


小型衛星、小型衛星打ち上げロケットの需要と言えば、全世界を覆うインターネット通信衛星を配備するSpaceXのStarlink計画が有名ではあるが、インターネット以外にも、ここに来て、米中冷戦により、特需が沸いてきた。

先日、小型衛星・小型衛星打ち上げロケットの需要として、日米両政府が「小型衛星網を整備し、中国・北朝鮮の新型ミサイルを追跡するシステム」の開発に乗り出したと日経新聞から報道がなされた。これは、多数の小型衛星でミサイルを探知・追尾する体制を共同で整備する予定であり、高度300~1000キロメートルの低軌道に打ち上げ、監視や迎撃に生かす。中国やロシア、北朝鮮は飛行経路を変える新型ミサイルを配備予定で、現在の日米のミサイル防衛では対処が難しいとされており、システムは2020年代半ばの運用を目指すとのことである。


この様な大量の小型衛星を配備する構想を打ち出した背景には、近年の安全保障情勢の変化がある。これまで米国は、弾道ミサイル防衛システム(MD)を整備してきた。しかしながら、ロシアや中国は、それに対抗するための新たな兵器体系として、極超音速グライダーや機動再突入体弾頭を搭載した弾道ミサイル、そしてスクラムジェットエンジンを搭載した極超音速巡航ミサイル等の開発を積極的に行っている。


なお、ロシアや中国がこの様な新兵器を開発していることは、以前、本Blogでも以下の様に解説した。


MDにおいて、弾道ミサイルを最初に監視・発見するための早期警戒衛星は、赤外線センサーを用いて静止軌道上(高度36000km)で運用されてきた。弾道ミサイルの様に、一旦宇宙空間に出るタイプのミサイルであれば、ほぼ真空の宇宙空間を通るため、遠方であっても赤外線を遮るものがなく、ロケットエンジンやロケットモーターの熱源を探知することは容易である。しかしながら、極超音速グライダー、機動再突入体弾頭、極超音速巡航ミサイルといった新たな兵器体系は、より低空の大気圏内を飛行する。このため大気圏に阻まれ、遠方から赤外線センサーで探知することは難しくなる。これを探知するためには、低軌道に衛星を配備するしかない。しかも、広範囲はカバーできないので、大量に軌道上に配置する必要がある。

日本政府はこれまで、宇宙ごみの把握や気象・防災情報の取得に小型衛星網を使う計画を公表していたが、今後、米国と協議して合意すれば安全保障分野でも活用する方針を打ち出すだろう。米国は2022年にも30基体制で試験運用を始める予定である。日本では2021年度予算案にも赤外線センサーの開発費など関連予算を計上している。


この様な監視システム構築には、低高度に大量の小型衛星を投入することになるが、ピギーバック衛星ではダメで、24時間一定の場所を監視できるように、複数を独立軌道に載せる必要がある。ここに小型衛星と小型衛星打ち上げロケットの特需がある。低軌道の衛星かつ小型衛星であれば寿命も短く、定期的に打ち上げる機会が生まれるだろう。

ところで、キャノン電子は、「人工衛星の製造から打ち上げまでワンストップで提供」を目標にかかげている。宇宙開発のワンストップ(=一元化)を行うために事業を拡大し、打ち上げロケットの製造から打ち上げまで、パッケージング化、全てのシステムを内製化できれば、垂直統合で利益率も高くできる。米国が中心となって構築するシステムと見られるため、海外企業参入の程度は不明だが、仮にこの様なプロジェクトに対して参入できれば、利益は高くなるのではないか。





References
[1] 内閣衛星情報センター、短期打上型小型衛星システムの実証研究を契約
[2] 内閣府 公共調達に関する公表(契約状況の公表) 
[3]  短期打上型小型衛星システムの実証研究について
[4] 短期打上型小型衛星システムの実証研究(その1)に係る企画競争について
[5] 短期打上型小型衛星システムの実証研究(その2)に係る企画競争について
[6] 株式会社エイ・イー・エス
[7] スペースワン ソリューション, https://www.space-one.co.jp/doc/solution.pdf
[9] SS-520 4号機の打上げ結果について, JAXA, 平成29年1月27日,
     https://www8.cao.go.jp/space/comittee/dai56/siryou8.pdf
[10] 新興ロケット世界と競争 キヤノン・IHI系、21年度商用化, 日経新聞, 2018/7/2 19:48
       https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32510940S8A700C1TJ3000/
[11] 1000億円達成へ大きな1歩、キヤノン電子, 日経新聞, 2018/2/5 18:00,
[12] SS-520 5号機による超小型衛星打上げ実証実験について, JAXA, 平成29年11月13日
        https://www.jaxa.jp/press/2017/11/20171113_ss-520-5_j.html
[13] 内閣衛星情報センター~宇宙からの情報収集~,
        https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jyouhoutyousa/csics.html
[14] 短期打上型小型衛星システムの実証研究について, 内閣衛星情報センター, 平成28年11月7日
        https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-anpo/anpo-dai17/shiryou1.pdf
[15] 宇宙基本計画, 内閣府, https://www8.cao.go.jp/space/plan/keikaku.html
[16] 宇宙基本計画工程表, 令和2年6月29日,
       https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20200727-mxt_uchukai01-000008945_20.pdf
[17] 「スペースワン」の太田社長が語った、"串本ロケット"の勝算と決意, 2019/09/12,
       https://news.mynavi.jp/article/kushimoto-2/
[18] https://www.jaxa.jp/countdown/f15/overview/sub_payload_j.html
[19] http://www.kenkai.jaxa.jp/research/pastpro/sds1/sds1-outline.html
[20] http://www.satnavi.jaxa.jp/project/gosat/
[21] http://www.kenkai.jaxa.jp/kakushin/kakushin02.html
[22] https://fanfun.jaxa.jp/jaxas/no080/03.html
[23] http://www.kenkai.jaxa.jp/research/innovative/innovative.html
[24] https://www.restec.or.jp/solution/product/spot-6-7.html
[25] 中国・北朝鮮の新型ミサイル、日米で追尾 小型衛星網で, 日経新聞, 2020/8/19 1:00
       https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62779530Y0A810C2MM8000/
[26] Topic: Space One - Canon led consortium to develop small launchers
       https://forum.nasaspaceflight.com/index.php?topic=43529.0%3Ball&s=09
[27] 〈独自〉米の小型衛星群構想へ参加検討 ミサイル防衛強化 来年度予算に調査費, 
       産経新聞, 2020.8.30 21:18





       









The Space One rocket, in which Canon Electronics has a stake, is planned for satellite launch service in 2021. One of the questions of interest is "What satellites will the first satellite launch rocket carry? That's what I'm talking about. Isn't the Cabinet Satellite Intelligence Center's short-launch small satellite the one we plan to carry? There are whispers of a rumor that this is the case. In this article, we will examine this.




The Space One rocket, in which Canon Electronics has a stake, is planned for satellite launch service in 2021. One of the questions of interest is "What satellites will the first satellite launch rocket carry? That's what I'm talking about. Isn't the Cabinet Satellite Intelligence Center's short-launch small satellite the one we plan to carry? There are whispers of a rumor that


● ZplusC1Bst

According to ZplusC1Bst, a space development watcher on Twitter, "there is no concrete evidence," but ZplusC1Bst cites the following as circumstantial evidence

  1. The basic plan timetable calls for the launch of a "short-term small satellite" in 2021.
  2. There is no launch in the "priority use of mainstay rockets" section of the basic plan timetable.
  3. It is unlikely that the Cabinet Satellite Intelligence Center will use a foreign launch vehicle.
  4. Canon Electronics Inc.'s Space One is scheduled to enter satellite launch service in fiscal year 2021.
  5. Interstellar Technologies' ZERO will not be ready for launch in fiscal year 2021. Therefore, Space One is the only Japanese launch vehicle capable of launching a satellite other than the mainstay rocket.

  • There is no mention in the "Priority Use of Key Launch Vehicles" section of the proposal as a short-term launchable small satellite application. For this reason, launches by other than the H-IIA/B/H3/Epsilon should be carried out.
  • The first launch of the Space One rocket and the launch of a short-term launch small satellite are both in 2021, which is the same year.




● Fumino Akiyama

Fumino Akiyama, a space news writer, said

Space One is scheduled for a system test flight in 2020 and a commercial launch by the end of 2021, so it may fit in with the "short-period launch demonstration study for a small satellite to be launched in fiscal 2020.





● NASA Space Flight.com

Next, on the NASA Space Flight.com message board, which watches Space One and Canon Electronics for space exploration information, Asteroza said the following

Rumor mill states the first flight has been delayed by at least a year, but the first payload has been secured (appears to not be a "traditional" commercial customer, so probably government). 







2. Verification


2-1.Space One rocket launch scheduled





Space One's Rocket Launch Roadmap



The official web site of Space One lists the launch schedule as the above table. In addition to this, the following is what we can learn from the Japanese Space Development Watch in recent years.



  1. One small rocket is scheduled for 2017 and 2018, respectively. Launches for these rockets are expected to be SS-520-5 and SS-520-6.
  2. SS-520-5 and SS-520-6 were intended to develop rockets and satellites using civilian technology to demonstrate the launch of a 3-kilogram microsatellite.
  3. The two rockets are the body of JAXA's project. However, in 2018, the Nikkei newspaper reported that "Canon Electronics and IHI Aero participated in the development of a small rocket for the Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA); they also supplied navigation technology and engine development for the SS-520, which was launched in February 2006. and "Canon Electronics provided control equipment for the rocket based on its camera technology. This project was initiated and financed by JAXA, and I suspect that the private sector wanted to make the most effective use of the launch opportunity as a testing ground for future business promotion.
  4. Space One's official web site describes the SS-520 rocket launch contract as an "avionics test flight," and the contract is described as more than just a contract, but as a stepping stone for future business.
  5. From these statements, Canon Electronics and Space One are thought to be conducting and planning to conduct tests and trials of elemental technologies, such as the conversion of consumer parts to other uses, as part of the JAXA project.
  6. In addition, a small rocket launch indication has been marked for 2020, and it is expected to conduct an "avionics test flight for space" using the SS-520 and other devices for the third time in 2020 or in fiscal year 2020.
  7. And if the roadmap is followed, the first satellite launch vehicle, developed by Space One, is scheduled to be launched in 2021 or FY2021.






2-2.Cabinet Inteligence Satellite Center, Short Launch Small Satellite System Demonstration Study and Schedule


The Cabinet Satellite Intelligence Center (CSIC) is an organization that develops and operates information-gathering satellite systems and collects and analyzes imagery for security purposes such as diplomacy and defense and crisis management in response to large-scale disasters.

Simply put, it is a key organization that operates Japan's "reconnaissance satellites," known as the "intelligence gathering satellite system.

As of 2020, this Cabinet Satellite Intelligence Center is conducting a "demonstration study of a short-launch small satellite system". Its purpose is to conduct demonstration research on small satellites that can be launched in a short period of time with the aim of replacing the function of an intelligence-gathering satellite for a certain period of time in the event of an unforeseen event. In other words, this is a study of an optical small satellite that can be quickly launched in the event of a problem with an information-gathering satellite.


In this study, they have developed the following performance specifications for small satellites


  1. Optical satellites weighing less than 100kg and with a resolution of less than 1m
  2. Manufacturing and testing can be completed in a short period of time (2 to 3 months) at the time of commercialization.


The satellite launch capacity of the new Space One rocket is said to be 150 kg in a sun-synchronous orbit (southern launch, 500 km altitude), and the weight of the short-launch small satellite system will be within 100 kg.



In this study, not only the research, but also the actual satellite will be manufactured, launched into orbit by rocket, and its usefulness will be evaluated through two years of demonstration operations.

The main house joule presented at the beginning of November 2016 is as follows.






Schedule for the demonstration study of a short-launch small satellite system
It was scheduled to launch in 2019.



However, this schedule was revised in the 2008 Basic Space Program Schedule Report as follows. As of fiscal year 2008, it has been pushed back to a launch schedule in fiscal year 2020.






Basic Plan for Space Policy (revised in fiscal year 2018) Schedule as of December, 2018
It was scheduled to launch in 2020.




As of 2020, the latest Basic Plan timetable (decided by the Strategic Headquarters for Space Policy on December 13, 2019) is as follows.





Basic Plan for Space Policy (revised in FY2019) Schedule as of December 2019
Short-launch small satellite system launch in the middle of 2021


According to the latest schedule, the short-launch small satellite system launch is in the middle of 2021, which coincides with the aforementioned date for Space One's first rocket launch.



In addition, the Basic Plan of the Space Policy Program in FY 2020, it is stated that the project will be linked with the demonstration operations of short-term launch vehicles under the title of "Operational needs of the quick-response small satellite system and study of its operational concept".





In this study, the satellite system itself was acquired by A.E.S. Inc. under a contract. The ground system part was acquired by SKY Perfect JSAT Corporation. The following is quoted from JM2040 article, "Cabinet Satellite Intelligence Center Contracted for Demonstration Study of Short-Term Launch Small Satellite System.



The Cabinet Satellite Inteligence Center has been carrying out demonstration research on the "Short Term Launch Small Satellite System" since fiscal year 2016, and has contracted with A.E.S. for the satellite system and SKY Perfect JSAT for the ground system in fiscal years 2016 and 2017, supported by JAXA. A short-term launch small satellite is an optical satellite weighing less than 100 kg and with a resolution of less than 1 meter, which will be used as a replacement for an information-gathering satellite for a certain period of time in the event of a failure. This demonstration study will be launched in 2020 to evaluate its usefulness.

There was a public notice of competition for the ground system project in FY2016, but this could not be confirmed from the procurement results.



FY 2016.
Research and Development of a Short Term Launch Vehicle System (Part 1)
Contract Date 07/11/2016
The other party to the contract: A.E.S.
Contract amount 42,973,200 yen 
Research and development support for a small satellite system for short-term launch (Part 1)
Contract Date 11/21/2016
Contract partner JAXA
Contract amount 7,492,824 yen



FY 2017

Research and development of a small satellite system for short-term launch (Ground System Department)
Contract Date: 08/17/2017
Contract partner SKY Perfect JSAT
Contract amount 213,868,080 yen


Item: Proof-of-concept research on a small satellite system for short-term launch (Satellite Systems Department)
Contract Date: 07/27/2017
The other party to the contract: A.E.S.
Contract amount 925,560,000 yen



Support for demonstration research on a short-launch small satellite system (2017)
Contract Date: 08/17/2017
Contract partner JAXA
Contract amount 14,497,920 yen



Source.
内閣府 公共調達に関する公表(契約状況の公表) 
http://www.cao.go.jp/chotatsu/kohyo/kohyo.html
短期打上型小型衛星システムの実証研究について
http://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-anpo/anpo-dai17/shiryou1.pdf
短期打上型小型衛星システムの実証研究(その1)に係る企画競争について
http://www.cao.go.jp/chotatsu/mitsumori/koubo/280711koukoku1.pdf
短期打上型小型衛星システムの実証研究(その2)に係る企画競争について
http://www.cao.go.jp/chotatsu/mitsumori/koubo/280711koukoku2.pdf
株式会社エイ・イー・エス
http://www.aes.co.jp/






2-3.Launch Schedule of Japan's Core Launch Vehicles (H-2A/B, H-3, Epsilon)


Japan's mainstay rockets, the H-2A/B, H-3, and Epsilon rockets, have been planned for launch in advance. The schedule for these rockets is also set in the National Space Policy (NSS) timetable. The latest schedule of the Basic Plan for Space Policy in FY2020 is described as follows.





The following satellites are scheduled to be launched by Japanese launch vehicles in 2021.


  1. Successor to the first quasi-zenith satellite (H-2A)
  2. Advanced Radar Satellite (Daichi 4) (H-3)
  3. HTV-X-1 (H-3)
  4. Innovative Satellite Technology Demonstration Experiment 2 (Epsilon)



There is no schedule entry in this one as a dedicated short-term launch small satellite. One presumption is that it will be launched as a piggyback satellite (which may be obvious since it is a 100 kg satellite). However, 100kg is too small to launch two satellites at the same time using a two-part fairing, because of the size of the main rocket.

Therefore, piggyback satellites are used as a form of piggyback satellite. Basically, the size of the Japanese piggyback satellite is 50cm in length, width, and height, and the mass is 50kg or less in principle. Piggyback satellites are mainly launched by H-2A rockets in Japan, and can carry up to four satellites.

In the past, the Small Demonstration Satellite-1 (SDS-1), which has the same mass as a 100 kg short-launch small satellite, was once launched as a piggyback satellite. Therefore, it is possible that a short-term launch small satellite could be launched together with the main satellite by utilizing the extra launch capacity of a large rocket.




SDS-1 (100 kg) launched in 2009 as a piggyback satellite



The piggyback satellite is a sub-satellite to the main satellite at the root of the fairing, and the orbit of the large satellite takes precedence over the orbit of the main satellite, and the piggyback satellite will be deployed in almost the same orbit initially. The following shows the orbital elements of GOSAT (IBUKI) and SDS-1, launched in 2009 on H-2A Launch Vehicle No. 15. As you can see, the piggyback satellite will be put into almost the same orbit as the main satellite.







Orbit comparison between GOSAT (IBUKI) and SDS-1



From these considerations, we can conclude the following.



1. Successor to the First Quasi-Zenith Satellite (H-2A)
  → It is not suitable for a geostationary orbit satellite.


2. Advanced Radar Satellite (Daichi 4) (H-3)
    → No record of piggybacking on H-3


3. HTV-X-1 (H-3)
    → No record of piggybacking on the HTV H-2B, HTV-only
        No record of piggybacking on H-3.


4. Innovative Satellite Technology Demonstration Flight 2 (Epsilon)
    → As with the Innovative Satellite Technology Demonstration 1, piggyback
        satellites were carried from the original plan.
        It will carry seven cubesats, so there is no excess space.



 

Inside the fairing of the Epsilon launch vehicle with the main satellite and seven CubeSats on board



Based on these considerations, the Advanced Radar Satellite (Daichi-4) is the most likely candidate for piggybacking. However, there is no record of piggybacking on the H-3 launch vehicle before its development is completed.

Even if piggyback satellites could be carried on the H-3 launch vehicle, the main satellites, the Advanced Radar Satellite (ALOS), have an altitude of 698 km and an orbital inclination of 98.2 degrees for its predecessor, ALOS-2, at 628 km and an orbital inclination of 97.9 degrees, and ALOS-3, at 669 km (planned).The altitude will be 600-700 km, and it is doubtful whether the 1-meter resolution, which is the target for a short-term launch small satellite, can be achieved.


The following are examples of satellites with a resolution of 1m at an altitude of 600-700km.


・QuickBird
 Altitude 600km, Resolution 1m, Mass 950kg


・SPOT-6,-7
 Altitude 694 km, Resolution 1.5 m (panchromatic), Mass 714 kg


・KazEOSat-1
 Altitude 750 km, Resolution 1 m (panchromatic), Mass 830 kg



All of these satellites are seven to ten times larger in mass. They also have large masses of telephoto lenses, and in order to achieve a small, 1-meter resolution observation satellite, the orbits would have to be lowered further to reduce the weight.

However, additional research has shown that Canon Electronics' CE-SAT-I is capable of achieving a mass of less than 65 kg and a resolution of 1 m at an altitude of 600 km, so it is still possible that the Advanced Radar Satellite (Daichi 4) could be launched simultaneously as a piggyback satellite.


For these reasons, there is a high possibility that none of Japan's mainstay rockets will be suitable for launching a short-term small satellite in 2021.


Translated with www.DeepL.com/Translator (free version)

Therefore, it is considered necessary to prepare a separate rocket for launching a small satellite for a short-term launch.






2-4.Possibility of being launched by a rocket other than Space One


It is possible that they could be launched by a rocket other than Space One. However, there is a strong possibility that they too will be denied for the following reasons.


  1. There is a high possibility that Japan's main rocket cannot be used for the above reasons. But It is unlikely that the Cabinet Satellite Intelligence Center will use a foreign launch vehicle.
  2. One domestic launcher under development by Interstellar Technologies, Inc. as an alternative to the mainstay rocket is the ZERO orbital injection rocket. However, because the ZERO is scheduled to enter service around 2023, it will not be ready for launch in 2021.






3. Will it follow the same strategy as SpaceX, which won the government contract and grew the company?



Even that SpaceX relied on DARPA funding in addition to private funding for the launch of the Falcon1 rocket in the early days of the company. (Explained in an earlier article: SpaceX Falcon1 rocket and DARPA development funding, SpaceX Flacon1 rocket and DARPA)


The company has a history of growing in size since then, when it won a contract from NASA for Commercial Orbital Transportation Services (COTS) to deliver supplies to the International Space Station (ISS).


For space venture companies, it would be solid to start out relying on government demand to expand their business, given the limited pie of the space development business in the 2020s. If Canon Electronics & Space One's first rocket is used to launch a short-term small satellite for the Cabinet Satellite Intelligence Center, the company will probably follow a strategy similar to that of SpaceX to expand its business.







4. Special demand for small satellites and small satellite launch vehicle


Speaking of demand for small satellites and small satellite-launch rockets, SpaceX's Starlink project to deploy Internet communications satellites that will cover the entire world is well known, but other than the Internet, the Cold War between the U.S. and China has brought special demand to the fore here.

The Nikkei newspaper reported the other day that the Japanese and U.S. governments have begun to develop "a system to track new Chinese and North Korean missiles by building a network of small satellites" in response to demand for small satellites and small satellite launch rockets. The plan is to jointly develop a system to detect and track missiles with a large number of small satellites, which will be launched into low orbit at an altitude of 300 to 1,000 kilometers to monitor and intercept the missiles. China, Russia and North Korea plan to deploy new missiles that will change their flight paths, and the system is expected to be operational in the mid-2020s, as current U.S. and Japanese missile defenses are said to be unable to cope with the problem.

The Sankei Shimbun also reported that Japan's Defense Ministry is coordinating the allocation of research funds to the previously reported U.S. low earth orbit satellite constellation concept.

The idea of deploying such a large number of small satellites was prompted by recent changes in the security situation. Until now, the United States has been developing a ballistic missile defense system (MD). However, Russia and China are actively developing new weapon systems to counter them, including hypersonic gliders, ballistic missiles with mobile reentry vehicle warheads, and hypersonic cruise missiles with scramjet engines.


The fact that Russia and China are developing such new weapons has been previously explained in this Blog as follows.



In MD, early warning satellites for the first monitoring and detection of ballistic missiles have been operated in geostationary orbit (at an altitude of 36,000 km) using infrared sensors. Once a missile goes out into space, such as a ballistic missile, it passes through a near-vacuum in space, making it easy to detect the heat source of a rocket engine or rocket motor at a distance with an unobstructed infrared beam. However, new weapon systems such as hypersonic gliders, mobile reentry warheads, and hypersonic cruise missiles fly in the lower atmosphere. This makes them difficult to detect from a distance with infrared sensors because they are obstructed by the atmosphere. The only way to detect them would be to deploy satellites at lower altitudes, but they would not be able to cover large areas. In addition, it is not possible to cover a wide area, so a large number of satellites would have to be deployed in orbit.

The Japanese government has so far announced plans to use a network of small satellites to monitor space debris and to acquire weather and disaster prevention information, but it is likely to come up with a plan to use them in the security field as well if it agrees with the United States. The U.S. plans to begin test operations with 30 satellites in 2022. Japan's proposed budget for fiscal year 2021 includes a budget for the development of infrared sensors and other related items.


To construct such a surveillance system, a large number of small satellites will have to be deployed at a low altitude, but piggybacking satellites are not sufficient, and multiple satellites must be placed in independent orbits to monitor a fixed location around the clock. This is where small satellites and small satellite launch vehicles are in great demand. Low-orbit satellites and small satellites will have a short life span and will create opportunities for regular launches.

Incidentally, Cannon Electronics has set itself the goal of providing "one-stop service from the manufacture to launch of satellites". If the company can expand its business to provide a one-stop shop for space development (i.e., centralization), and if it can do everything in-house, from the production of launch vehicles to launch, including packaging and all systems, it will be able to achieve high profit margins through vertical integration. Since the system is likely to be built mainly by the U.S., the degree of participation by foreign companies is unknown, but if they could participate in this kind of project, the profits would probably be high.





References
[1] 内閣衛星情報センター、短期打上型小型衛星システムの実証研究を契約
[2] 内閣府 公共調達に関する公表(契約状況の公表) 
[3]  短期打上型小型衛星システムの実証研究について
[4] 短期打上型小型衛星システムの実証研究(その1)に係る企画競争について
[5] 短期打上型小型衛星システムの実証研究(その2)に係る企画競争について
[6] 株式会社エイ・イー・エス
[7] スペースワン ソリューション, https://www.space-one.co.jp/doc/solution.pdf
[9] SS-520 4号機の打上げ結果について, JAXA, 平成29年1月27日,
[10] 新興ロケット世界と競争 キヤノン・IHI系、21年度商用化, 日経新聞, 2018/7/2 19:48
[11] 1000億円達成へ大きな1歩、キヤノン電子, 日経新聞, 2018/2/5 18:00,
[12] SS-520 5号機による超小型衛星打上げ実証実験について, JAXA, 平成29年11月13日
[13] 内閣衛星情報センター~宇宙からの情報収集~,
[14] 短期打上型小型衛星システムの実証研究について, 内閣衛星情報センター, 平成28年11月7日
[15] 宇宙基本計画, 内閣府, https://www8.cao.go.jp/space/plan/keikaku.html
[16] 宇宙基本計画工程表, 令和2年6月29日,
[17] 「スペースワン」の太田社長が語った、"串本ロケット"の勝算と決意, 2019/09/12,
[25] 中国・北朝鮮の新型ミサイル、日米で追尾 小型衛星網で, 日経新聞, 2020/8/19 1:00
[26] Topic: Space One - Canon led consortium to develop small launchers
[27] 〈独自〉米の小型衛星群構想へ参加検討 ミサイル防衛強化 来年度予算に調査費, 

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